第26話 正式にスカウトされる昴だが

昼休み、昼食を終えたチーム霧島、宮田勇也、相原凛、中川洋子、進藤深雪はめぐみ

に演技を教えてもらっていた。

めぐみも昴とのライブの為、勇也達には

成功してもらいたいから協力している。


「これでもダメかな?」

「間違ってはないから言いと思うけど」

「ああ、霧島の事だからもっと完璧に

やれとか言うに違いないだろうな」

「うん。絶対言いそう」

「だったら霧島君が納得するぐらい練習

しよう」

「あいかわらず元気ね洋子は」

「私達の女子のリーダーだもね」

「いやいや、今は私よりめぐちゃんだよ」

「私?まぁ私はいつでも自分が一番って

思ってるけど、それも、少し前の話しよ!

今は皆と同じ、それにこのチーム霧島じゃ

一番浅いからね」

「めぐちゃん」

「でも、めぐみちゃんのおかげで彼も

少し変わって来たよね」

「うん!私も思ってた」

「俺もだ。前は本当に何も応えてくれなかったもんな。俺達が勝手についていっただけでよ」

「そうね。でも、今は話しを聞いてくれるし

、何より彼から誘われるものね」

「うん!あれには驚いたよ」

「まぁ霧島君は歌はなかったけどね」

「けど、ライブやったり見に行ったりしてるから、もうあつは一人じゃないよな」

「もちろんよ!皆もいるし、何より私が

いるんだもの!絶対彼を私の虜にして

見せるわ」

「めぐちゃんも変わったけど、そこは変わらないね」

「さすがお嬢様」


そんな感じで勇也達は練習をしていた。

その昴はいつもと変わらない日常を

送っていた。


九月中旬、昴はバイトをしていた。すると

見知った顔と知らない顔の二人が

やって来た。


「やっほ霧島君」

「・・・あんたか。何しに来た?」

「何って食事だよ。ここファミレスなんだし」

「なら、別の所でもいいだろ」

「もう、売上に貢献してあげようと思って

るのに」

「それはありがたい事だ。それで、そっち

の奴は誰だ?いや、見た事はあるな」

「え?あなたが知ってるの?」

「悪かったな。それで何の用だ?ミュージシャンの朝霧涼介」

「君に知ってもらえるなんて光栄だね!

初めまして朝霧涼介(あさぎりりょうすけ)です」


昴と同じくらいの身長で金髪にサングラスを

していて、そのサングラスを取り顔を

見せた朝霧涼介。彼は日本一のミュージシャンと言われる存在で、多くのアーティストを

プロデュースしているプロデューサーでも

ある。


昴はとりあえず二人を奥の席に案内し、涼介

もサングラスをかけなおした。


店長に言って休憩をもらい、安部達の席に

座る。


そして、涼介から聞かされたのはデビュー

についての事だった。


「ことわ」

「霧島君!今回は本気なの!」

「・・・」

「彼がうちに移籍してきてくれて、本格的

にうちも動き出せれる様になったの。今まではめぐちゃん一本だったけど、これからは

うちで活躍する子達が増えるわ」

「それで、その中の一人に君になって

もらいたい。君の事は安部さんから聞いて

いる。でも、プライベートの事ではなく

純粋に君の音楽を評価している。おそらく

僕より君の方が実力はあるだろう。だから」

「くどい!俺は誰とも仲良くなる気は

ない。言いか?今から言うのは断りじゃ

ない。警告だ!俺は誰からも指示はされない!自分の命は自分で決める!」


昴は怒って仕事に戻った。


「すいませんわかってたんですけど」

「大丈夫。でも、まだ子供なのに彼は

何も楽しめないのか。寂しいな」

「はい」


安部達は店を出た。昴はそれを店の中から

見ていた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る