第13話 霧島昴セカンドステージへ!?

控え室のドアが開いた。そこに居た彼女達は

振り向いた。そこにはマネージャーと

知らない男子がいた。


「皆、お疲れ様」

「お疲れ様です。安部さん、その人は?」

「えっと、彼は霧島昴君。あなた達と

同じ、高校生よ」

「もしかして、押し負けて入れたんですか?」

「でも、そうは見えないけど」

「え~っとね、彼はめぐちゃんのクラスメイトで、一度、ライブに出てもらった事が

あるのよ。それでね」


安部が昴の事を話す。その後に彼女達を

紹介される。ヴォーカルの進藤菫(しんどうすみれ)と、ギターの神楽坂彩華(かぐらざかあやか)に、キーボードの楠蘭(くすのきらん)の三人で、皆、クールな感じをして

いて、それがユニット名にも現されている。


「ふ~ん!つまり私達の演奏が下手だから

もんくを言いに来たと」

「その通りだ」

「ハッキリ言ったよこの人」

「もったいないわね。せっかく格好いい

のに性格は悪そう」

「ああ、俺は人嫌いなんでな。性格は

最悪と思ってもいい」

「その最悪さんが何か?」

「特に用はないさ。あいつと同じだから

見に来ただけだ」

「それは、めぐみ先輩の事かしら?」

「ああ。だから、何かつかめるかもと

思ったが、邪魔したな」

「待ちなさい!悪口を言われただけで

そのまま帰すと思うかしら?そこまで

言うならあなたの演奏を聞かせてちょうだい!本当に演奏出来るならね」

「いいだろう。だが、安くはないぞ!」

「お金を取ると言うの?本当に最悪ね」

「そう言っただろ」

「じゃあお店の人に」

「それなら、会社のスタジオでしましょ!」

「皆はまだ、仕事があるし」

「わかりました。マネージャーがそう言うなら」


昴達は会社に向かいスタジオに入る。

準備をしおえ、昴がキーボードの

前に立つ。


「じゃあ聞かせてもらおうかしら」


菫の声に返事をせず、演奏を始める。その

演奏は静かに始まり、いきなりハイスピードな曲になる。そうして昴は一曲弾き終えた。


静まりかえるスタジオ。


「おい、終わったぞ」

「・・・認めるわ。確かにすごいわね」

「ええ、私より数段上手いわ」

「めぐみ先輩のステージに立てるだけ

あるわね」


三人は素直に昴の演奏を認めた。


「じゃあ帰る」

「待って!」

「なんだ?対価はもらわんから安心しろ」

「ねぇ私達のステージにも出てくれないかしら?キーボードは蘭がいるけど、二人に

なってもいいと思うし」

「そいつはいいのか?」

「私はかまわないわ。上手い人の演奏を

聞けるならそれで勉強になるしね」

「安部さん、いいですよね?めぐみ先輩の

ステージにも出たんだし」

「まぁ私達にしたら、すぐにでも、彼を

うちからデビューさせたいからね。まぁ

あとは本人しだいだからね」


昴は少し考えてから返事をした。


「いいだろう。バイトより儲かるしな!

だが、やるからにはお前らのレベルを

あげてもらうぞ。下手な歌と演奏を一緒に

はやりたくないからな」

「本当に最悪な人。でも、いいわ。私達は

頂点を目指すユニットよ。絶対あなたを

納得させてあげるわ」


そうして昴はめぐみに続き、菫達Icegirlの

ライブに立つ事になった。

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