第15話(拳銃ゲットだぜ)
小泉は、テーブルに薬と100万円の札束を置き、ゼノの方へ差し出す。ゼノはそれを受け取り、ポケットに入れる。
「それで、凜を殺った犯人は判りましたか?」
「下の者にちょっとプレッシャーかけて調べさせたけど、凜さんは事故の線が濃厚だ」
「そうですか。りんご狩り園の事件はどうなんですか?」
「捕まった渦辺木は真犯人じゃない。黛君の同級生だよね?」
「渦辺木とは特別、仲が良かった訳じゃないけど、人を殺す度胸があるような奴じゃない」
「ましてや銃撃事件だ。一般人ができる事ではないね」
「やはり別の組織」
「我々と対立する組織が動いてたら厄介だ。これも渡しておこう」
小泉は、小型のアタッシュケースをテーブルに置く。
「これは?」
「グロック」
「マジすか」
「本物だからね。VRゲームとは訳が違う」
「セーブザウォーでは50口径を撃ちました。ベレッタ93も」
「使い方は大体分かるんだね。VRゲームが良いのか悪いのか」
「楽しけりゃオーケー」
「身に危険が差し迫ったと判断した時に使うんだよ。余裕があれば、脚を狙うんだ」
「分かりました」
「では、今夜にでもエアハートを頼むよ」
「セーブザウォーの開発者ですね。了解です」
「頼んだよ」
ゼノは、コーヒーを飲み干して、喫茶店を出る。ゼノはワクワクしながら、GTRの車内でアタッシュケースを開けてみた。マガジンと銃本体、そして9ミリパラベラム弾が1ケース。アタッシュケースを閉めて、後部座席に置く。ゼノは淳史に電話をする。
「もしもし、どうした?」
「用事が済んだ。今からシルビアで運動公園まで来い。円書きを教えてやる」
「分かった。お巡り居ないよね?」
「ヒートショックの確率だ。大丈夫」
「怖いけど、ワクワクするぜ。待ってろゼノ! 行くぜ運動公園!」
ゼノは携帯電話を切り、運動公園へ向かう。
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