シスターレナに叱られたい!―番外編 教会ラヂヲ!―

雛山

教会ラヂヲ 第一回

――某スタジにて。


レナ「マジでやるのコレ?」

ケイト「レナちゃん諦めて、もう始まるわよ」


スタッフの一人が開始のカウントをとる。


レナ「なんで、教会が番組枠持ってるんだよ! おいコラ、何カウントしてんだよ」

ケイト「ほーら、始まっちゃうわよー」

レナ「あー、クソ! 仕方ねぇ」


――スタート――


レナ「シスターレナの教会ラヂヲ始まりです!」


レナ「アタシこと幕田レナがMCを務めますお悩み相談番組『教会ラヂヲ』第一回目の放送です、まず最初のゲストは我が協会の大黒柱シスターケイトです」

ケイト「はーい、よろしくね。レナちゃんもお手柔らかにね」



レナ「この番組はリスナーからのメッセージで来たお悩みや質問を、アタシこと幕田玲奈とゲストシスターで答えていく番組です」

ケイト「おばさんも頑張って答えるわよ」


レナ「それでは、さっそく最初のメッセージ行きましょうかね」

ケイト「第一号のメッセージね、期待がふくらむわ、ささレナちゃん読んで」

レナ「はいはい、えーと中央区のラジオネーム『歌劇団元蟹組』さんからの……ってこれリナだろ!」

ケイト「あらー、それでなんて書いてあるのかしら?」


レナ「えーと、『レナ、君のスリーサイズは幾つかな? その小鳥の囀りのような可愛らしい声で答えてごらん?』……アイツマジでバカだろ」

ケイト「最初の質問は、レナちゃんの魅力を伝えろと言う啓示ね。さあ、答えないと」


レナ「え? 公共の電波で言えと? これただの羞恥プレイだよ、嫌だよ言いたくないよ」

ケイト「レナちゃん我が儘言っちゃだめよ、番組的に答えないと」

レナ「な、神の慈悲は無いのか?」

ケイト「この程度で慈悲なんてあるわけないじゃないの、ささ」


レナ「くそー! アイツ覚えてろよ! 上から『87、61、88』だよ! これでいいか?」

ケイト「立派に育っちゃって……」


目元を押さえるシスターケイト。

顔を真っ赤にするレナ。


レナ「なんで泣いてるんだよ、てかシスターケイトはアタシの子供の頃のサイズしらないだろうが」

ケイト「それもそうねぇ」

レナ「さて、次のメッセージに行こうか」

ケイト「おっけーよ」


――


レナ「南区のラジオネーム『ぞうさんはもっと好きです』さんからのメッセージですね。

『レナさんこんにちは』はい、こんちは『わたしは麒麟さんより恵比寿さんのほうが好きです、レナさんはどっち派ですか?』はぁ?」


ケイト「わたしは朝日さんね」

レナ「ぞうさん何処行った? アタシはまだ未成年なんだよ!」

ケイト「あ、そう言えばそうだったわねぇ。高校卒業したばかりだものね」


――


レナ「さてと次にいこう次に」

ケイト「わかったわ」

レナ「続いてのメッセージはラジオネーム『アイアムゴッデス』さんから……あー、うんこれも誰かわかっちまった」

ケイト「あら? 知り合いなのかしら?」

レナ「前にうちの懺悔室に来たオバちゃんなんだよねぇ」

ケイト「ふーん、それで何が書いてあるのかしら?」


レナ「じゃあ読むか『ちょっと! 信者一号、思ったより信者増えないじゃないの別方面で人気出ちゃってるじゃないのよ』いや、そんな事しらねーよ!」

ケイト「信者って宗教関係の方かしらねぇ」

レナ「いや違いますよ、ちょっと頭が可哀そうな人です」

ケイト「可哀想な人ならなおさら導いてあげないとね」

レナ「多分無理じゃないですかねぇ……んでこの、どうしていいか分からない質問だがどうします?」


少し考えるシスターケイト。


ケイト「そうねぇ、良く分からないからアプローチの仕方を変えたら?」

レナ「だそうだぞ、ピーチューブからピコピコに変えたら? よし、これにて解決ってことで次行きましょうかね」


――


レナ「さて、今回は次のメッセージが最後になるかな? ラジオネーム『僕は一途』さんより……これも誰だかわかっちゃうんだけど……」

ケイト「知り合い?」

レナ「あー、こいつもさっきと同じで懺悔室に来てたんですよ」

ケイト「そうなのね、それでなんて書いてあるのかしら?」


レナ「えーっと『以前はお世話になりました。今回は悩み事でつ、いまだに坂下雅代ちゃんも多田野ヒカルちゃんも僕の名前を憶えてくれません。どうしてでしょうか? 追伸:お姉さんの可愛い声でがんば……』あー、うん最後は読まなくていいな」

ケイト「名前を覚えてもらえないって坂下や多田野って娘とは友達なのかしら?」

レナ「いや、アイドルとファンの間柄なんだよね。 しかも握手会には何度も行ってるほど熱心なファンではあるようですね」

ケイト「それで覚えてもらえないって事は何かあるのね」

レナ「あー、そいつの容姿がぶっちゃけ以下略レベルのモブっぽいんですよね」

ケイト「あら、印象に残りにくいってことね」

レナ「そうなりますね」


ケイト「それなら簡単じゃないの、目立つ格好していけばいいじゃない」

レナ「なるほどイメチェンってことですか」

ケイト「そうそう、インパクトって重要じゃないかしら? 例えばそうね、服装でインパクトを出してみるとか」

レナ「例えば? シホ達みたいなクソダサイ特攻服着るとか?」

ケイト「そうそう、エルビ〇・プレスリーみたいな恰好はどうかしらね?」

レナ「プレスリーですか? まあ、確かにアレなら印象的かも」

ケイト「でしょー、わたしもプレスリーみたいな恰好はインパクト十分な気がするのよね。そういう事で参考になったかしら?」

レナ「この質問だけはマトモな回答になったんじゃないですかね?」

ケイト「ええ、頑張って答えたものね」


――


レナ「そして最後のコーナーは小説紹介のコーナーです、小説? アタしゃあまり本読まないけど何を紹介しろと?」

ケイト「別に本じゃなくてもいいのよ最近はネットでも読めるのよね? そこから紹介するみたいよ」

レナ「なるほど、確かリナやマティアが読んでるの見たな。それでマティアのオススメを紹介しろって事ね」

ケイト「本番中なんだしもう少し楽屋裏ネタは押さえてほしいわね」

レナ「あー、すんません」


レナ「さてでは今回は『少し残念なお嬢様の異世界英雄譚』を紹介。少し残念? あの女子高のお嬢様に一人いたよな有名な残念なお嬢様」

ケイト「聞いたことあるわね、成績優秀で文武両道容姿端麗だけど中身が残念な娘よね」

レナ「まあ、似た奴がいたって事ですね。」

ケイト「そうねぇ、それでどんなお話なの?」


レナ「えっと。

『事故で亡くなった性格以外はほぼ完璧な少し残念なお嬢様が、美少女魔王様に異世界へと召喚されてしまいましたとさ。


お嬢様を呼んだ魔王様はお嬢様に自分の国を助けてとお願いします

美少女大好き残念お嬢様は根拠も無しに安請け合い。


そんなお嬢様が異世界でモンスター相手にステゴロ無双しつつ、変な仲間たちと魔王様のお国を再建するために冒険者になってみたり特産物を作ったりと頑張るお話です』」


ケイト「ステゴロって素手での喧嘩みたいなものよね?」

レナ「そうですね、武器なしでの喧嘩ですね。剣と魔法のファンタジーっぽい設定だけど拳と魔法のファンタジーみたいですね」

ケイト「わたしも後で読んでみようかしら?」

レナ「えー、マティアのオススメですよ。絶対にロクでもない作品ですよ?」

ケイト「読んでみればわかるんじゃないかしら?」

レナ「そりゃそうですね」


レナ「さて、そろそろお別れの時間です。次回もお楽しみに」

ケイト「それじゃあね、ばいばーい」


――


―提供―

『少し残念なお嬢様の異世界英雄譚』

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