第3話
「あぁ こうちゃん こうちゃん? なんで…○✖︎△♯○…」
まるで酔っているみたいだ
呂律もハッキリしていない
寝起きのオトナじゃない
よくわからないまま
僕は「ま、間違いました ごめんなさい」と言って慌てて携帯を切った
そのあと 僕は少し興奮していた
押し間違いに戸惑ったわけではない
かけ間違いなんて初めてのことでもないのに
彼女の声が妙に心に引っかかった
メモと発信履歴を見比べる
「えっ?!」
(合ってるじゃん)
これはもうアレンの書き間違いしか考えられない
(アイツ……)
仕方なく用件はメールで済ますことにした
あくる日の昼休み
早速アレンに番号を確かめた
僕が少し不機嫌そうに見えたのか
アレンは sorryを繰り返しながら 僕の手からメモを取った
ところが 瞬間 アレンはオーバーなジェスチャーと共に 「NO❗️」と叫んだ
結局 僕の持っていた11桁は アレンに渡されたメモにも関わらず
番号は全く違うものだったのだ
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