変わり者たちは青春を望む

MHR

プロローグ

 青春とはなんだろうか?


 その問いかけに対して様々な人が、様々な答えテーマを自分で持っていることだろう。



 例えば、青春とは友人と楽しく過ごすことかもしれない。


 例えば、青春とは異性と交流をし、恋することかもしれない。


 例えば、青春とは勉学に励むべきと考えているかもしれない。


 例えば、青春とは色んな事に挑戦し、一生の思い出を作ることかもしれない。


 だけど僕にはその問いかけに対する答えテーマを見つけられなかった。

 何度考えても自分が何をしたいのか、青春に何を求めているのか分からず、理解出来ずにいた。



 友人と遊ぶのは楽しくはあるがそれでは一人でゲームしたり読書をする事よりも楽しいかと言われたら答えはNOノーだ。

 ゲームや読書は同じくらい楽しい、或いはそれ以上と言っても過言ではない。むしろ他人がいると邪魔に感じてしまうことすらある様な僕には不可能だ。


 では恋をしたいかと聞かれたら恐らくこれもNOノーだ。

 僕にだって性欲はあるし、恋とは一体どのようなものなのか興味はあるが所詮はその程度。是が非でもしたいとは、また、誰かと恋をしたいと思える程に好きになれるとは思えない。


 ならば色んな事に挑戦し一生の思い出を作りたいかと言えば断じてNOノーだ。

 そもそも一生の思い出なんてものはそう簡単には作れない、作れる訳がない。



 僕はそんな事を、他人が聞いたら『やりたい事』と『出来る事』を履き違えていると思われても致し方ない様な事を考えて、心の底からそう思いながら日々の日常を、青春を過ごしてきた。



「私の親友と君の友達を恋人にする手伝いをして欲しいの」



 そう、あの言葉を言われたあの日までは──。

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