告白

雲田和夫

告白

とある早朝、僕は妙な胸騒ぎがして目が覚める。

時計を見るとまだ5時半。また寝ようかとも思ったが、妙な胸騒ぎは消えない。

そうだ、あの子に告白しなきゃ。


あの子、高校の同級生の茜に告白したい。噂では先輩のサッカー部の男子生徒といい感じだという。もう無理だろう。だが、この胸騒ぎは消えない。


あの子に告白しなきゃ。


僕は少し早く登校し、そしてその日の授業を終えた。なんだかあっという間だった。そして、この消えない胸騒ぎに突き動かされながら、茜のもとに向かう。


「あの、ちょっといいかな?」と僕は言う。

「え、何?」と茜は答える。

「ちょっと、体育館の裏まで来てくれないかな?」と僕は言う。

「え、なんなの」とかなり訝しげに茜は答える。


周囲は若干騒然となるが、そんなにたいしたことにはなっていない。ズカズカと廊下を突き進み、体育館裏まで行く。


そして、茜と僕は二人きりになる。


「あの…」と僕は言う。

「なんなの?」と茜は答える。


その時、建物の裏だからだろうか?強い突風が吹いた。

そして、茜のスカートがまくれ上がり、彼女の白いパンツがはっきり見えた。

僕はこともあろうにそれを凝視していた。そして、その表情を茜は見ていた。


茜は僕の告白を聞くまでもなく去っていった。


でも、なんか、奇跡ってあるのね。風に感謝。

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告白 雲田和夫 @spiderbutterdog

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