第33話 深読みが当たりました
LINEせいか『話終わったから、帰ってきて良いよ〜』
LINE健『了解』
「既読付くの早いんだけど…」
机に向かいお兄ちゃんにLINEを送りながら自分用のPCを久しぶりに起動。
帰ってくるまで少し調べものをしておきたい
「あまり実名で調べるのいい気がしないわ」
禁断のとまではいかないけれど、遂に本性を現したフレデリックさん対策の為ちょっと裏をかきたいなと思う私。
「えっと、フレデリック・サイデリカと」
カタカタと素早く打ち込みGoogle検索。
何かしら情報が出てくる可能性は極めて低いとは思うけれど、そこは神頼みと言うかGoogle頼み。
1ページ目は名前がフレデリックさんに似てるお酒や海外の地名が出てきた。他に、色々なサイトに飛んでみた。数ページに渡り調べてみたけど予想通り……
「駄目、何も出てこない」
「何が駄目なんだ?」
「ひゃわ!?お、お兄ちゃん!帰ってきたんならノックして!びっくりしたじゃない!」
「えぇ〜?したよぉ。でもドア開けたら真剣にPCとにらめっこしてるんだもん。当然
うるさくしない様に黙って入るやろ」
「それはそうだけど。まぁおかえりなさい」
「ん、ただいま」
「ところで何真剣に調べものしてたんだ?」
「あ、いや。ん〜と」
「言いたくない感じっぽいね」
「言ってもいいけど何か嫌」
「そっか」
(うわ…そんなあからさまにしょげた顔
されたらこっちが悪いみたいじゃない)
「フレデリックさんの事調べてたのよ」
「え?」
「だから、フレデリックさんの名前検索したら正体が分かるかなって思って」
「正体?え、フレデリックちゃんモデルさんかなんかなの!?」
「そうじゃなくて!まぁ、美人だから
あり得るかもだけど。」
「おかしいと思ってさ。なんか知り合って結構経つのに、全然フレデリックさんやボスの
こと知らないし。特に職業!前に聞いたんだけど、はぐらかされて。結局何してる人達なのか今も分からずじまい。」
「確かに。身近な情報である筈の誕生日も
血液型でさえ知らないな」
「でしょう?ほんと正体不明なのよ」
「危ない仕事やってるとか?例えばFBI辺りNASAとか。秘密裏に行われてそう」
「国家規模の秘密を持ってると思ったけど」
「何かそれっぽいの無かったん?」
「無かったわ。わけ分からない地名が出てきてうんざりしてた所」
「そうだったのか、ちょっと見して」
「あ、うん。途中まで進んであるから」
「了解〜」
___
5分後
「なぁ、せいか。これ2ちゃんねる…」
「ん?何?」
「フレデリック被害の会って書いてある。
被害者の男の人達がフレデリックちゃんに
詐欺にあったって愚痴が叩き込まれてるよ
ホントなのこれ……?」
「え!?うそ!ほらやっぱりお兄ちゃんのこと騙してるじゃない!」
「いや、嘘でしょ。」
「なんで!」
「だって、2ちゃんだぜ?ネットは嘘ばかり載ってる所でもあるし、そもそも詐欺師が堂々と僕らに接触するか?しないだろ」
「物語シリーズの貝木○舟さんは堂々と
ヒロイン達に接触してましたけど?」
「2次元と3次元を一緒にしないで下さい」
「はぁい。でもこれ新たな収穫ね。今度
フレデリックさんに聞いてみようかなぁ」
「やめとけ、またはぐらかされるぞ」
「そんなバナナ!!」
「はいはいバナナね。」
「ぶーぶー」
「はあ。てかそろそろ夕御飯作んなきゃな
何が良い?」
「卵かけご飯」
「それだけ?あんまりお腹空いてないの?」
「うん。あとその2ちゃんねる見るから」
「あーね、そういうこと。分かった。」
「けどちゃんとリビングで食べるから。ご飯作ってて」
「かしこまり」
そう言って私の部屋を出たお兄ちゃん
小声だったけど廊下に出たときに聞こえた
言葉。
「せいかが君を信じなくても僕は信じ続けるからね、フレデリックちゃん。」
それだけは聞きたくなかったね__
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