この大空と瞳に輝きを。
愛桜
第0話 プロローグ
この世界には、限りなく続く大空がある。
人間にはそれを見る、瞳がある。
そして、大空も、瞳も、輝きを放っている。
「ふぁ〰️」
大きなあくびをしながら、学校に向かう少年に誰かが後ろから勢いよくタックルをしてきた
「おはよー」
「お前か」
タックルしてきたのは、同じ高校の同級生、佐藤だ。
「お前とはなんだ、おれがいなかったら友達なんていないだろ、正樹。」
「別に俺は友達が欲しいとも言ってない、お前がただ勝手に絡んできてるだけだろ」
そう、俺は学校に佐藤以外に話せる奴がいない。元々、目付きが悪いだの、でかくて威圧感があるだので男女ともに避けられている。
「そんなんだから、友達もできないんだろ」
「俺は、もう慣れてる、今更友達が欲しいだなんて思わないな」
「あっそう」
佐藤は、俺に呆れる様子でいた。
「じゃあ、俺先に行ってるから」
「おう」
佐藤は友達が多いから一つのグループに混じって行った。やはり、一人で静かな方が気楽だ。何事もなく、学校に着いた。
そして、授業をなんとなく聞いて、あっという間に昼休みになった。この時間が一番憂鬱だ。
「中庭にでもいくか」
中庭で、昼飯を一人食べていた。すると、
「2年B組の結城正樹君、職員室、三村まで」
それは、呼び出しの放送だった。しかも俺だった。正直、めんどくさかった。
トントン
「失礼しまーす」
職員室を入ると、奥の方に座っていた。
「おーい、こっちこっち」
この人はうちのクラスの担任の三村善子先生だ。生徒会の顧問もしている。
「で、早速お願いなんだけど生徒会直属の委員会は、知っているよね」
「はい、お助け部ですよね。」
お助け部、生徒会サポートを目的とした、直属の委員会。確か、メンバーには、生徒会長も所属していて、その他のメンバーも変わった人が多いとか、生徒会サポート以外の事もしているらしいがろくな話を聞いたことがない。ほとんどが噂話だ。
「というか存在したんですね」
「ありますとも、そこでお願いなんだけどそこに入ってくれない?」
お助け部に入るか、特に部活にも入ってないしすることもないからいいか。
「タダで入ってくれとは言わないわ。内申点は最高点を上げましょう」
「わかりました。引き受けましょう」
「それじゃあ、今日の放課後、部室にいってくれない。代表と生徒会長には言っておくから。」
「わかりました。」
確か生徒会長は、学校で、一番の美人で出来ないものを探す方が難しいって言うくらい評判がいいはずだった。そんな生徒会長と話せるだけでもかなり幸せかも。
あっという間に放課後になり、言われた通りに部室についた。
「失礼しまーす」
そこには、見たことのある顔があった。
あれが生徒会長、小見波柚だ。
「君が新しい部員だね。よろしくねー。生徒会長の小見波柚です。」
「よろしくお願いします。小見波先輩」
もう一人のそこに座っているのは、誰だろう。だけどとても綺麗で小見波先輩とは、違って大人っぽい雰囲気の人だ。
「初めまして、お助け部部長の高水優香です。よろしく。結城くん」
「よろしくお願いします。高水さん」
あの色のリボンは、同級生だろう。
「よろしくねー、私は、速水雪。結城先輩。」
こいつは、スポーツ推薦でうちの学校に来た、速水雪。最近話題になっている奴だ。
「この部活は、生徒会のサポートをする部活動です。なので、余計な会話はいらないので、今日はもうすることは済みましたし解散で、結城くん、明日からの活動は、小見波先輩に聞いてください。それでは。」
なんだ、あいつ感じ悪いし、関わらないって点ではちょうどいい。すると、小見波先輩と速見は、
「これから、この三人で結城くんの歓迎会しましょう。」
「いいですねー。しましょー」
「ね、いいよね」
「はい。」
このあと三人での歓迎会が教室で行われた。
しかし、まだ誰も知らないこれからの事、この学校を巻き込む大事件が、起こるのはまだ先の話。
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