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     はじめまして。自主企画「【ゆるぼ】10万~15万字で完結済みの小説」にご参加くださり、ありがとうございます。主催者のあじさいです。
     まことに勝手ながら、本企画からは既に弾かせていただいたのですが、本作については誤字と疑問点を指摘しておきたいと考え、応援コメントを書かせていただきます。
     第1話のおおまかな感想としましては、青猫が〈メデューサ〉と対峙したときの描写は面白かったのですが、その他のことは読者を置き去りにして何かミステリアスなSFが進んでいるという印象でした。意図してそうなっている部分も多分にあると思いますが、何かの参考になるかもしれませんので、ひとまずここでは疑問に思ったことを率直に述べます。このコメント自体に誤字があったらすみません。後ほど修正を加えるかもしれません。

    <誤字>

    「どうやら彼女も自分と同じ〈スーパー・バイザー〉らしい」
     私見ですが、「スーパーバイザー」が「supervisor」なのを考えると、中点で区切る必要はないと思います。SVと略すのはミーティングをMTGと略すようなものですが、ミーティングを「ミー・ティン・グ」とは書きませんから、スーパーバイザーも「スーパーバイザー」で良いでしょう。

    「突然〈メデューサ〉の彼女自身を説明する概念が一度に大量に流れこん出来て、青猫はそれを理解する為の解釈と整理を余儀なくされ、しばし混乱した」
    →「大量に流れ込んできて」

    「そう思いついた瞬間は、生まれて初めて感じた恐怖だった」
    →「瞬間、」
     「瞬間は」を主語、「恐怖だった」を述語とすると噛み合いません。

    「〈メデューサ〉は語りあう姉達にも狂気が伝染する事を怖れ、語らいの輪から外れた。外れないはずのリンクからあっさりと外れる事が出来た後、彼女は逃げた」
    →「あっさりと外れた後、」、あるいは「外れることにあっさりと成功し、」

    「まず二〇〇四年に同期し、謎を解く為の鍵を手に入れなければなくちゃ」
    →「手に入れなくちゃ」

    「『あなたが知っている二〇〇四年に行ける確率に行けるとは限らないわ』」
    →「二〇〇四年に行けるとは限らないわ」

    「「ワタシが持ってる記憶の、二〇〇四年に行くのよ。コントロールを渡して」/〈メデューサ〉は彼女に操作系を預けた。」
    →「〈メデューサ〉は青猫に操作系を預けた」

    「〈メデューサ〉は〈真空相転移炉〉からのエネルギー大部分を注ぎこみ、メタ演算開始」
    →「エネルギーの大部分を注ぎこみ、メタ演算を開始」

    <疑問点>

    「神の領域といえるほどの理解力があったなら、それら平行世界の群を組み立てている、全ての量子場と時空を超えたネットワーク構造さえも同時に理解出来るのかもしれない」
    Q:「神の領域」を持ち出したら“何でもあり”にしかなりませんから、想定する意味がないでしょう。

    「静かな流れ。無音の激流。互いに影響しあう、幾たびもの分岐と絡み合い。立体交叉。いばら。長虫。やわらかい迷路」
    Q:「いばら。長虫」は、目の前にある具体的な物体の話ですか? 元々読者を置き去りにして話が進んでいるのですから、そのものか比喩か紛らわしい情報が入ると、混乱してしまいます。

    「カオス、という概念的な理解が彼女の限界だった」
    Q:概念は内容をはっきりと定義した言葉のはずなので、カオス(混沌/秩序だっていない状態)の理解は「概念的」ではなく、「観念的」あるいは「表象的」なものしかあり得ないと思います。

    「周囲にある無限の流れに自分は影響を与える事が出来ず、またどの流れも自分を動かす事がない。無限種類のどの世界観にも同期出来ず、客観的な時間も空間もあらゆる因縁因果も自分とは無縁」
    Q:外的な世界と隔絶されているような描写ですが、宇宙空間か何かですか? この辺りの難解さ(悪く言えば説明不足)が読解や感情移入を妨げていることは否定できないと思います。

    「数多の世界を飛び越え、どこからか自分とその相手とを一瞬にして結んだ、哀切に満ちた孤独で内向的な感情。青猫は経験でそれを『泣いている』と解釈した」
    Q:「一瞬にして結んだ」の主語は「すすり泣き(の音)」という外的な音声なので、それを形容詞節として「哀切に満ちた孤独で内向的な感情」とつなげるのは不適切です。仮にここでの主語が「感情」だった場合、〈メデューサ〉に、すすり泣きの声で青猫を覚醒させる意図があったことになると思います。

    「もしかしたら狂った自分自身から生じている幻覚かもしれないと考えて、いきなり心が恐怖で満ちた」
    Q:さきほど「いずれ狂気へと向かう自分を確信する。恐怖」との記述があったので、少なくとも「いきなり」ではないと思います。

    「そうならば、その夢は逃げ場のない現実なのだ」
    Q:狂気を自覚できているなら抜け出す余地があるはずです。「逃げ場のない」と考える根拠は何でしょう? 青猫は以前にも幻聴を経験したことがあって、そのときは自力で抜け出せなかったのでしょうか?

    「青猫は決意した。勇気を奮い起こし、現実と向きあってみる」
    Q:夢か現か確信がない状況なので、「目の前の問題」くらいが妥当だと思います。

    「青猫が自分の存在を発信してすぐ、返答と思える思念の動揺を感じとった。会話に慣れていない印象の、自分に自信がなさそうな、つたない思念だった」
    Q:「思念」だけでは「会話」にならないなら、直前の「誰何は言葉ではなく、思念」は不適切です。「思念」だけで「会話」が成立するなら、「会話に慣れていない印象の、自分に自信がなさそうな、つたない思念」が不適切になります。

    「突然〈メデューサ〉の彼女自身を説明する概念が一度に大量に流れこん出来て(→流れ込んできて)、青猫はそれを理解する為の解釈と整理を余儀なくされ、しばし混乱した。〈メデューサ〉はマナー知らずの甘えたがりだと青猫はそれで悟った」
    Q:「思念」の「会話」に不慣れなのは青猫も感じ取っているのですから、「マナー知らず」も「甘えたがり」もないでしょう。明らかにLINEに不慣れな人とチャットしながら、「メール感覚で長文を送ってくるとはマナー違反の重い女だ」と言っているようなものだと思います。

    「三人の〈ゴーゴン〉とも、世界全ての情報を受けとめる眼と、そこから凄まじいまでの洞察を繰り広げられる知力を持っている。その二つを合わせれば、人を殺める力にも、数多の平行世界を渡る手段にする事も出来たという」
    Q:「凄まじいまでの洞察」とありますが、主観的な評価である上に比較対象がないので、説明としてはぼんやりしています。それに、「人を殺める」のは物理的な力で充分でしょう。「眼」や「洞察」と言うからには、そこは「文明を滅ぼす」、「人類を自滅に追い込む」とかじゃないんでしょうか?

    「姉二人は世界のあらゆる有様に悪意と逃れられない破滅を連想したが、〈メデューサ〉の感じた世界はそれほどでもなかった」
    Q:「連想した」ではなく、「確信した」、せめて「想起した」、「読み取った」などではないでしょうか?

    「三人の内、二人が全く同じ意見ならば、間違っているのは自分という事になる/自分がどうしても間違っていると思えない〈メデューサ〉は、もっと自分の根元的な部分が間違っている可能性に気がついた。/自分が狂っている。/自分は狂っているのだ」
    Q:「世界全ての情報を受けとめる眼」があるのに、姉たちがその考えに至った根拠を共有することはできないのでしょうか? 根拠は分かるが感情面で納得できないということなら、「間違っている」も何もないのでは? それに、〈メデューサ〉が自分が狂っている可能性より先に考えるべきなのは、創造者(あるいはこの世界線)が狂っている可能性の方でしょう。読者にとっては、ゴーゴン3姉妹が何のためにそんなことをさせられているか、ずっと「意味不明」ですし。

    「〈メデューサ〉は語りあう姉達にも狂気が伝染する事を怖れ、語らいの輪から外れた。外れないはずのリンクからあっさりと外れる事が出来た(→外れた)後、彼女は逃げた」
    Q:間違えたとき指摘してもらうか軌道修正してもらうための3姉妹、そのための語らいなんじゃないでしょうか? そうでなければ、「世界全ての情報を受けとめる眼」は1人分で充分でしょう。

    「全ての世界は姉の視界から逃れられない。彼女は世界と世界の隙間に隠れる事にした。/自分だけの宇宙に身を潜めたのだ」
    Q:「世界」なのか「宇宙」なのか、宇宙と宇宙の隙間(宇宙の外側)なのか宇宙自体(宇宙の内側)なのか、はっきりしてほしいです。

    「客観的に狂気を見つめようとしながら、いずれ訪れる孤独な死というものを初めて意識し、改めて恐怖した」
    Q:率直に言って、〈メデューサ〉の選択に必然性を感じられません。世界を観測していて姉たちと意見が対立したのですから、世界や姉たちに対する観察と洞察を深めない限りどうにもならないのは(人間である読者の目にも)明白でしょう。

    「もう逃げ場はない」
    Q:姉たちの所に戻って、より詳しい解説を聞けば解決するのではないでしょうか? 姉たちが〈メデューサ〉をどう思っているかはこの時点では明かされていませんから、〈メデューサ〉が勝手に家出して、「もう帰れない」と思い詰めているだけに見えます。

    「そして〈メデューサ〉はせめてもの延命の為、眼醒めるあてもなく眠る事を選んだ」
    Q:創造者に与えられた存在意義を放棄していて、自分が狂っていることも確信しているのに、どうして延命を望むのでしょうか? その辺りの感覚は「人並み」のものが備わっているのでしょうか? なら、どうして姉たちとの語らいを強制されていた状況に疑問を持ってこなかったのでしょう?

    「彼女の身の上を知った青猫の感想は棘を含み、〈メデューサ〉の思念に怯えらしい動揺が表れた。思念で相手を確かめあっている二人は今、嘘や隠し事をしにくい状態になっている。青猫の言葉は相手に伝えるつもりがない、心中の想いにすぎなかったのだが、相手は攻撃的な意思が投げかけられたのだと受けとめた様だ」
    Q:「世界全ての情報を受けとめる眼と、そこから凄まじいまでの洞察を繰り広げられる知力」はどこ行きました?

    「そんなはずないわ、と〈メデューサ〉は言った。自分は眼醒めてなんかいない、これは夢の中の出来事よ、とかたくなに語った。/(略)/そんなはずはない、わたしはここにいます、と〈メデューサ〉はヒステリックな思念で叫んだ。強い意思が同意を求める/「証拠がないわ」」
    Q:この問答というか勘違いは、本作においてどんな意味があるのでしょう? 身も蓋もないことを言ってしまうと、読者的には2人も2人の会話も全部フィクションなので、何度も強調して深入りしすぎると、墓穴を掘るだけにも思えます。

    「「混乱混乱混乱混乱混乱混乱混乱混乱混乱混乱…………」/『いけない!』/青猫の大混乱状態を言葉として感じとった〈メデューサ〉は、自分の表面反射率をただちに落とした」
    Q:殺意に駆られた人の心情描写として「殺す」「死ね」などを重ねるのは百歩譲ってまだ分かりますが、混乱している人(猫)の頭の中で「混乱」というワードが響いているのはさすがに不自然すぎると思います。アルファベットや記号を不規則に並べて思考がまとまらないことを表現した方がまだ納得しやすいです。

    「『うかつだったわ。大丈夫?』/「大丈夫……だと自分では思うけど。一体なんなの、アナタ?」/『国連宇宙軍所属、情報戦闘実験艦〈メデューサ・ゴーゴン〉』」
    Q:〈メデューサ〉の「うかつな」行動がフィールドを解除したことを指すなら、青猫が「思念会話」を試みた時点かそれより早い段階(追記:〈メデューサ〉が宇宙あるいは宇宙の隙間に1人きりでいると自分では思っている段階)で、〈メデューサ〉は意識的にフィールドを展開していたことにならないでしょうか? それに、自分の素性を知ってほしくてマナー違反をしていたとき、自分が「国連宇宙軍所属、情報戦闘実験艦」であることを隠すという頭は回っていたのでしょうか? 仮に隠すつもりだったとして、どうして今ここで急にそれを明かしたのでしょうか? 〈メデューサ〉は伝えたつもりだったのに青猫が処理しきれていなかっただけなら、そういう描写が必要だと思います。

    「そう言いながら〈メデューサ〉は猫を自分の内部に収納する。/エアコン、フル稼働。」
    Q:唐突な印象です。てっきり青猫は便宜的に「猫」と呼ばれているだけで、それ自体が宇宙だと思っていたのですが……、こいつは一体何なんだという不可解さが強まります。

    「『もっと深く、お互いを受け入れるの』」
    Q:普通こういう台詞って何かしらの「ドラマ」を期待させるものだと思いますが、僕が見落としただけで、青猫と〈メデューサ〉は前後の数行で共に背中を預け合うようなソウルメイトになったのでしょうか? それとも、肉体関係が先行する百合のようなものだと思って、エロい妄想を膨らませるべきなのでしょうか?

    「大量情報がまた一度に流れこむと予想したが、一瞬後、感じたのは自分という機能の拡張だった」
    Q:「自分の機能」ではなく「自分という機能」というのが、誤字でないとするとよく分かりません。

    「己の中の、己を見つめる。/青猫は、〈メデューサ〉の眼で彼女の体内にいる自分自身を見た。外側から、同時に全方角から自分を観察するという奇妙な、想像すらかなわなかった超立体を実体験する」
    Q:「己の中」ではなく「メデューサの中」ではないでしょうか。そうでないなら、単に「今の己自身を見つめる」、「己を見つめ直す」などでいいと思います。

    「「精神分析者じゃないから決められない。それにアナタはやっぱり猫かぶりでわがままだと思う。でもワタシはアナタの感じる事を全て肯定するわ、〈メデューサ〉」」
    Q:一般的には「精神分析医」でしょうね。というか、この世界観で「全て肯定する」とか軽く言っちゃって大丈夫なのか心配になります。青猫の詐欺的な軽口だとしても、〈メデューサ〉はどうしてすぐに信じているのでしょう?

    「生まれた時に与えられた、真の名は奪われたわ。そして屈辱的な奉仕を強いられていたの」
    Q:〈メデューサ〉と出会う前、「自分の名と、この無限の流れに放りだされてからの記憶。そして少少の知識断片」は覚えているという記述がありましたが、この部分を読むと、自分の「真の名」は覚えていないんじゃないですか? 名は体を表すという言葉は文芸では重要な意味を持っていて、もし「真の名」を思い出せないなら、青猫は自分自身や自分が本当に望むことを把握しきれていないということが示唆されるわけですが、どうなんでしょう?

    「「全ての世界が滅ぶわ。無限種類の平行世界が全て。時間さえも無意味になる」/『何を言ってるの?』」
    Q:全ての平行世界に関わることなのに、「世界全ての情報を受けとめる眼」を持つメデューサや他のゴーゴン姉妹は感知できてないんですか?


    「「アタシが嘘を言ってるかどうかは解るはずよ。アナタも無関係じゃないわ。アナタの様なものが存在するという事は、アイツの予言が成就しつつあるという事なの。……でも、アナタに遭えたおかげでそれを食いとめられかもしれない。アナタが必要よ」」
    Q:〈メデューサ〉のことを自分勝手だと散々罵っておきながら、自分は「アイツ」も「予言」も説明しないまま〈メデューサ〉を巻き込むのでしょうか? かつて自発的に逃避を選んだ青猫がここで前向きになっているのは〈メデューサ〉と出会えたからだということは、〈メデューサ〉はかつての「情報母体」より「高性能」ってことでいいのでしょうか? 第1話を読んでいる限り、本作自体が神々の闘争という趣で、読者が感情移入する余地はなさそうですが、仮に〈メデューサ〉が「情報母体」の上位互換で、その〈メデューサ〉が青猫の味方をするなら、あとはどうにでもなりそうなので、物語に緊迫感が生まれないと思いますが。

    「「ワタシが持ってる記憶の、二〇〇四年に行くのよ。コントロールを渡して」/〈メデューサ〉は彼女(→青猫)に操作系を預けた」
    Q:自分の外部に物理的に存在する特定世界の二〇〇四年に「同期」するのか、自分の記憶を擬似的に再現してダイブするだけなのか、よく分からない気がします。というか、「コントロール」って操縦桿的なものですか、それとも演算能力的なものですか? 青猫自身は何も持ってないのでしょうか? それに、〈メデューサ〉は自分の能力を他人に明け渡すことの危険性を自覚していても良さそうですが、どうして青猫のことをすぐに信用しているのでしょう? 「思念会話」は〈メデューサ〉はよく知らない能力ですし、〈メデューサ〉自身は「フィールド」を張っていたのに、青猫が隠し事をして〈メデューサ〉を騙そうとしている可能性を考えないのでしょうか? 迂闊すぎませんか? 姉たちの懸念を思い出しもしないのでしょうか?

    「黄昏に映える、冬の空。/丘の上にある校舎群が見下ろす、地方都市の夕景」
    Q:いきなり地球に来ました? それとも、元々地球だったのでしょうか? この場面の凄さがいまいち伝わってきません。

     長文失礼しました。

    作者からの返信

    推敲ありがとうございました。
    二、三解っていてわざとやっている所もありましたが、ここまで問題点を洗い出してくれると嬉しいです。最後までちゃんと読んでくれたという事でもありますし。
    参考にして修正しようと思います。

  • 激しくカッケーです!

  • 神林長平と永野護と士郎正宗と菊池秀行は私もすこですが、神林長平みを大いに感じる第一話ですこすこのすこでした!
    読み応えしゅごい、めちゃんこ面白そうです!

  • 企画への参加ありがとうございました!

  • こうして第一話へとつながるのですね。

    作者からの返信

    そうです。第一話に繋がります。
    読んでいただいてありがとうがとうございます。