暗躍する者→男爵令嬢編③ 私は、頑張ったのよ。
頑張った。
私は、頑張ったのだ。
前世のように、シナリオに載って楽に過ごしていた時と違って、大変だった。
私は、光の属性を持つ魔法使いになるはずだったのに…
『それは、倒錯。属性など不要』
との言葉で、属性をはぎとられ、世にも珍しい無属性になってしまった。
希少価値からすれば、光属性よりも無属性の方が高いのは確か。
対比されるのは、全ての属性を持つ全属性がある。
全属性は、全ての魔法を苦もなく使えるという珍しいを通り越して奇跡の属性。
今まで誰もなしえていない。
魔力値が化け物、人外レベルではないと無理と言われている。
それに対して無属性は、全ての魔法をかなりの苦労して使える。
いや、それに似せた別のものとして使えるというのが正しい。
全属性と違い、魔力値は低い者が多いらしいが、本当かどうか分からない。
『それは、倒錯。聖女など不要』
光属性を持つ女性のことを聖女と言うことがある。
ケガや病気の治療を行える者は貴重だ。
似た効果を持つ、水属性を使える者ならキズを治すことはできるが、体力や気力を回復できない。
聖女は貴重だと、光属性がほしいと、無属性になる前にダメ元で言った時の回答がこれ。
仕方がなく、無属性で頑張った。
でも、できるようになったのは、ケガをした本人の自己治癒能力促進だった。
聖女のように、瞬間で治すことができない代わりに、キズがじわじわ治っていく。
視覚効果は抜群。
ある時は、
『それは、倒錯。男爵令嬢、それ以上の事はない』
暗躍するための知識や根回しのための顔つなぎをしようと思ったらこれ。
この部分。
シナリオ上では出てこない闇の部分で、前世で失敗した大元のカラクリ。
ところが、これがダメだという。
やっぱりダメ元で抗議した。
「シナリオと違ってしまうわ。これは重要な事なの」
『ふむ。倒錯だ。これは現実。夢ではないのだ』
言っていることは正論だが、納得できない。
乙女ゲームなのだから、シナリオ通りにして何がおかしい?
『ふ、まだまだだな』
不適な笑みを浮かべていそうな言葉。
結構長く一緒にいる…いるつもりはないが、相変わらずローブを深く被っており、夜中に驚いたことは数知れず。
他の人に見えない分、説明するのも面倒なので、お化けを見たを連発してしまい、実際に悪魔払いをされたことがある。
お化けと言ったのに、悪魔払いとは…
曲解して伝わったが、実際に少し効果があった。
払ったら、5分間消えたのだ。
それまで、どこへもずっとくっついていたのに。
もちろん、こう言われてoznになったのだが。
『離れていない。努力を認めて不可視。透明になっただけだ』
トイレとお風呂は、嫌だと言ったのに。
『興味はない。行く先々に憑いていく、これが私の任務だ』
誰よ、こんなことを指示したの。
でも、私は頑張ったの。
だれでもいいから、この頑張りを認めて。
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