第5話 召喚魔方陣 その3 試運転
「よし、成功だ」
僕は、異世界に喚ばれたらしい。
ライトノベルは、よく読む。
これと言った特技もない僕が、喚ばれたということは、勇者になるんだ。
やったぁ~!と思っていたら。
「では、送還の方も見ておきますか?」
??送還??
何もしていないのに
「これが成功すれば、勇者を喚ぶことが簡単になります」
「え?僕が勇者じゃないの?」
「わ、しゃべった」
「生きている人なんだから、当たり前でしょうが。単に、いままで話さなかっただけで」
「ねえねえ、勇者って」
「そんなわけありません。いわば、あなたはテスト」
「ここに居ることもできないの?」
「せっかくですが、送還の実験に携わって頂きますので、ある意味勇者かもしれません」
「…」
あまりの扱いに絶句していたが、周囲が虹色に囲まれ始めたところを見ると、いきなり送還の実験が始まったのか。
光が闇に代わり、僕は召喚される前の場所に戻っていた。
そう、暴走トラックに激突されたままの強烈な痛みで身体がばらばらになるのを知覚する、この世の最後の時に。
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