5-10
18日月曜日、今日は祝日なので学校はお休みです。そのためお昼すぎから伊織に連れ出され、散歩をしています。正確には、なかなか服を買おうとしない私を買い物に連れて行くよう頼まれたそうです。
まぁ、伊織の着せ替え人形になっておけばいいので、気楽ですね。
その後はふらふらしていたので、帰ってからは日課をこなすために軽くログインしただけです。
夜のログインの時間です。日課の続きを終えたら、今日はどこへ行きましょうか。
最近は木の上を移動していたのでヤタと信楽を召喚していなかったので、召喚出来る場所がいいですね。
「ヤタ、信楽、どこ行きたい?」
『KAA?』
『TANU?』
うーん、どこでもいいのでしょう。ええ、絶対多分きっとおそらくそうでしょう。まぁ、ヤタは飛べますし、信楽は抱えればいいので、どこであろうと問題はないですね。
そんなわけで魔の森へとやってきました。随分と人が増えた気もしますが、一度発見された場所なんてそんなものですよね。4パーティーでちゃんと協力すればホワイトウルフの群れを突破するのは容易いらしいので、功名心さえなければ障害になるものはないでしょう。
これならマギストが見つかるのも時間の問題です。
ええ、きっと。
いつもとは違い信楽を抱え、木に登りました。
ヤタと信楽のAI設定も索敵重視に変更したので、エテモンキーのようなMOBがいても先に気付けるはずです。
それでは出発進行です。
………………
…………
……
信楽を抱えているので何度かバランスを崩しましたが、一度だけ空中ジャンプが出来る私にとって、大した問題ではありません。それよりも、信楽が私の頭に登ろうと足掻くほうが問題でしたね。流石にあれは移動に支障しかないので、やめさせています。
途中、オークと遭遇しましたが、ボムを用意してからランス系を一つ詠唱して釣り、近付いてきたところをドカンです。一体ずつなら楽なのですが、複数体来ると、移動速度によってボム系に巻き込めないことがあるので、なんとかしたいものですねぇ。
……おや?
休憩も兼ねてスキルの確認をしていたのですが、一つ試してみたいことが出来ました。
しばらくしてオークの群れを見つけました。
ここでオークの復習をしましょう。索敵範囲以外はオーガより弱いようなので驚異ではありません。詠唱反応もリンクもしませんが、叫んで他の個体に襲撃を知らせるという行動をします。ええ、なので、それを封じてしまえばいいんですよ。
オークの索敵範囲外からボム系を4つ用意し、3体いる中で一番最後にいる個体を見つめます。
「【沈黙眼】」
私の目が怪しく光っているはずですが、確認出来ませんね。後で誰かに見てもらいましょう。
何度か失敗したのでそれなりのMPを消費しましたが、ちゃんと成功しましたよ。沈黙状態のオークは喉を抑えて異変を感じているようですが、声が出せないので、他の個体に知らせることも出来ていません。肩を叩くなどして知らせればいいのですが、それすらしていません。このMOB、あまり頭が良くないのかもしれませんね。
「【ダークランス】」
まぁ、他のオークが気付くのを待つ必要はないので、さっさと攻撃してこちらへ来てもらいます。ただ、魔眼を攻撃と判断しなかったのは少し気になりますね。
『……』
オークは何も言えないので、無言で近づき始めました。うーむ、他の個体も1体だけ離れたのに気が付かないとは……。
ボム系を投げつけられるところまで来たら信楽と協力して4つのボム系を投げつけます。手が4つあるので、落とす以外の方法が取れるのは便利ですね。
さてはて、沈黙眼が使えるというのは確認出来たので、残りのオークも倒してしまいましょう。
『BU……HI……』
何度も遭遇してパターン化しているので、移動する時に気を付けていればしくじることはありません。弓持ちの個体が矢を物凄い勢いで飛ばしてきた時はHP全損を覚悟しましたが、驚きのあまりに枝から落ちたお陰で、落下ダメージにより大半のHPを持っていかれながらも矢は回避しましたよ。
まぁ、矢をつがえるのに時間がかかっていたので、次を撃たれれる前に近付いてボムを投げつけましたけど。
その後、弓持ちの個体に注意しながら木の上を飛び回っていたところ、怪しげなローブを身にまとい杖を手にしたオークを発見してしまいました。他の2体は両方共に剣を持っているので近接系の個体だとは思いますが、まさかの魔法使いでしょうか。
物は試しとボム系を用意してから沈黙眼を使ってみたのですが、成否以前に思いっきり振り向かれましたよ。
『BUHHIHHI』
その上、他の2体に知らせましたよ。完全に予想外でしたが、杖持ちのオークは詠唱反応をするようですね。あまりにも特徴が違いすぎるので識別してみたところ、オークメイジという名称なので、完全な別個体です。近接系は全部オークだったので油断していましたが、恐らくは弓持ちもオークアーチャーなのでしょう。
とりあえず、向かってくる剣持ちの個体を倒そうとしているのですが、オークメイジは厄介ですね。魔力視で水属性だということはわかりますが、何の魔法かまではわかりませんし。
動き回ることで魔法の狙いを付けさせないようにし、剣持ちの個体へと近付き、用意していたボム系を投げつけます。信楽が付いてこれる速度で走ると何度か魔法による攻撃を受けそうになったので、木に隠れてもらい、まずは2発投げつけることにします。
何だか足が早くなった気がしますが、これは速度上昇のお陰だと思いこむことにします。
『BU』
何を言っているのかわかりませんが、経験から投げつけられる距離ギリギリで2つのボム系を投げて命中を確認する前に退避します。使ったのがフレアボムだったので、背後から熱を感じました。すぐに信楽から残りの2つを回収し、傷ついている剣持ちの個体の元へと戻り、追加で投げつけました。何度かアイスランスが飛んできましたが、クールタイムが終わるまで棒立な魔法使いなんで、気にする必要はありません。
この後は周囲の木を利用しアイスランスを無駄撃ちさせてオークメイジへと近付きました。フレアボムのクールタイムは既に終わっていますし、終わっていなくとも別の魔法を使えばいいだけなので、ここは格の違いを見せつけなければいけません。
ええ、準備が出来ているボム系4つをさっさと投げつけ、倒してしまいます。こんな気にする価値もないMOBに時間を掛けるのはもったいないですから。
ドロップは他のオークとかわらないようです。
そういえば、【熟知】は違うMOBに攻撃すると効果が切れるので、オークメイジが紛れ込んでいるのは損しかありませんね。まったく、どこまでも邪魔な存在です。
この後、弓持ちの個体と遭遇したので識別してみたところ、やはりオークアーチャーでした。あれといいこれといい、厄介なことしかありませんね。
ちょうどいい時間まで狩りを続け、いつもの様にログアウトしました。
19日から21日の三日間はログインしても日課だけこなしました。
22日金曜、いつもの様に日課をこなしていると、ハヅチが何かを確認しながら近付いてきました。
「頑丈な皮、結構集まってるけど、何作ればいいんだ?」
あー、ハヅチが使う素材ということで押し付けていたので、何を作るのか考えていませんでした。えーと、使った素材のランク的に先に変えるべきは帽子と外套ですね。外套は冬仕様になったらそっちに変えるかもしれませんが、それなりに時間がありますし、そんなことを言っていたらいつまでも変えられないので、この2つを優先しましょう。
「帽子と外套、どっちいける?」
「両方いけるぞ。……帽子と外套だと、……腕、手袋なら作れるぞ」
「そなの? じゃ、お願い」
「わかった。デザインで何か……、魔女風はわかってるから、他に希望はあるか?」
そうですねぇー。今のはフード付きのローブなので、ここから更に発展させるには……。
「うーん、良きに計らえー」
「あー、はいはい。基本形はそのままで考えとくよ」
ハヅチはよくわかってますねぇ。流石は私の弟です。
その後は月曜と同じ様にオーク狩りをしていたのですが、前回以上に東へ進んだところ、厄介なMOBに遭遇してしまいました。その厄介さはオークメイジ以上ですよ。
『ETETE』
その鳴き声、確実に違いますよね。まぁ、オラウータンの鳴き声なんて知りませんけど。まったく、【エテウータン】なんて確実にエテモンキーの上位MOBじゃないですか。まぁ、少し大きくなって攻撃力と耐久力が上がり、移動速度が落ちているので、ランス系の逃げ撃ちで倒せました。一度に描ける魔法陣が5個になっているので、結局2回で済んだのもありますが、体感ではありますが、すばしっこいエテモンキーの方が厄介でしたね。
結局、エテウータンの出現率が低いようでそこまで遭遇はしませんでした。出てくるとある程度動き回る必要があるので厄介なのは変わりありませんが。
その後、オークの群れも数が増えて最大数が6体になりました。まぁ、一体ずつ釣れば問題ないのですが、オークメイジが含まれていると面倒です。隊列の後ろから一体ずつ釣っているのに、肝心のオークメイジが一番後ろですから。
ピコン!
――――System Message・所持スキルがLVMAXになりました――――
【氷魔法】がLV50MAXになったため、上位スキルが開放されました。
【激流魔法】 SP5
【水冷魔法】 SP5
これらスキルが取得出来ます。
――――――――――――――――――――――――――――――
途中にこんなことになったり。
ピコン!
――――System Message・所持スキルがLVMAXになりました――――
【雷魔法】がLV50MAXになったため、上位スキルが開放されました。
【雷撃魔法】 SP5
【電流魔法】 SP5
これらスキルが取得出来ます。
――――――――――――――――――――――――――――――
こんなことになったりしました。
もちろん全て取得したのですが、【激流魔法】と【雷撃魔法】は最初に【ストリームボム】と【サンダーボム】を覚えました。このストリームボム、丸いボムの中にいくつもの渦があるので、直接ぶつけたら凄いダメージが出そうですが、微妙に意味が違う気もするんですよね。まぁ、気にしてもしかたないでしょう。
次に、【水冷魔法】と【電流魔法】ですが、こちらは【ダイブエフェクト】と【インパルス】なので、補助系の魔法のようです。ダイブエフェクトは効果中に水中での行動補正や呼吸が可能になるそうです。追加でMPを消費することで移動しやすくもなるそうで、水中フィールド用の魔法ですね。
インパルスは対象の行動速度が大幅に上がり、触れた相手に感電のデバフを与えるそうです。ただ、思考速度は上がらないので動けすぎて動けなくなりそうですね。
ちなみに、この2つは両方共行動補正となっており、移動補正ではありません。つまり、ちょっと手を動かすなどの行動全てに補正があるということです。まぁ、移動なら足だけ、行動なら全身と覚えておけばいいでしょう。ダイブエフェクトは水中でないと使えませんし、インパルスは使うこと自体が危険なので、実験は今度そのうちやりましょう。
試し打ちが出来ないのがあったとはいえ新しく魔法を覚えたので気分良く進んでいると、何だか広い場所に出ました。広い場所の先には大きな壁と門があり、他は霧がかかっていてよくわかりません。ですが、ここはマギストを開放するための場所でしょう。何せ、広い場所の真ん中に妙な石版があるんですから。
用心しながら近付いてみますが、変化はないようです。それでは、触れてみましょう。
ピコン!
―――System Message・エリアボス【オークサージェント】を解き放つことが出来ます―――
魔法都市の門前に立ち塞がる【オークサージェント】と戦うことが出来ます
【オークサージェント】を解き放ちますか?
【はい】 【いいえ】
――――――――――――――――――――――――――――――
おや、今回はボスだけでしたか。まぁ、サウフィフもレイドとはいえボスだけだったので、初めてではありませんね。
サージェントが日本語で何を意味するのかは知りませんが、ロードとかキングとかチャンピョンとかヒーローではないので、程よく強い程度だと嬉しいですね。流石に一人で倒せる相手でもなさそうなので、スクリーンショットを取るだけにしましょう。
今日はそろそろいい時間なのでログアウトします。
土曜は先週同様に文化祭準備で登校しているのですが、来週に迫っているためなのか、全体的に活気づいているというか、時間に追われている感じがしますね。まぁ、私達のクラスは委員長指示の下、早め早めにおこなっているので、問題らしきものは影も形も見えませんよ。
夜のログインの時間です。
「こんー」
いつもの様に定型文で挨拶をしたのですが、クランハウスが何やら騒がしいですね。特にハヅチ辺りが。
「やっと来たか。ちょっとワールドメッセージの履歴見てみろ」
何かあったのでしょうか。えーと、……おやおや。
――――World Message・エリアボス【サハギンサージェント】が倒されました――――
プレイヤー・【ザイン】率いるパーティー【アカツキ】によって、エリアボス【サハギンサージェント】が初討伐されました。
【サハギンサージェント】に阻まれた街【ハーバス】が解放されました。
――――――――――――――――――――――――――――――
――――World Message・エリアボス【ゴーレムサージェント】が倒されました――――
プレイヤー・【フィーネ】率いるパーティー【RK第一PT】によって、エリアボス【ゴーレムサージェント】が初討伐されました。
【ゴーレムサージェント】に阻まれた街【テクザン】が解放されました。
――――――――――――――――――――――――――――――
一応今日のようですが、ザインさん達は深夜で、ロイヤルナイツの方は私がログインするよりも前ですね。
「あー先こされちゃった。この様子だと西もサージェントなのかな?」
……おや、みんなの反応が妙ですね。
「なぁ、西もってことは、東は見つけてるのか?」
「……はいこれ」
手っ取り早く昨日撮ったスクリーンショットを見せましょう。百聞は一見にしかずといいますし。
「……まったく。……まぁいい、オークサージェントか、何でどこも軍曹なんだ?」
「へー、軍曹なんだ。なら、そこまで強くないわけだ」
詳しいことはわかりませんが、そこまで高い階級ではないはずです。まぁ、上の方すぎると頭脳労働担当だったりしそうですけど。
「いや、軍曹なら逆に強いだろ」
「そなの? まぁ、戦ってみればわかるよね」
「それもそうだな。ところで、ザインさんからは連絡来てないのか?」
「んや、特には」
南は港町らしいので、船の航路を調べるのに忙しいのでしょう。MOBは違えど同じ軍曹なので、どのくらいの強さだったのかだけでも聞ければいいのですが。
「あ、マップデータいる? てか、もう挑むの?」
おっと、ハヅチ達と時雨達の間で妙な空気になっていますね。今回はレイドではないので、最初に倒せるのは1PTだけですからね。とりあえず、ザインさんにメッセージを送って情報収集をしておきましょう。
「どうしよっか。今回は弱体化もないみたいだから、今までと違って倒せるボスかもしれないよ」
「新しい街の開放には興味あるが……」
二人の反応を見るに、挑んではみたいようです。けれど、エンジョイ勢の宿命か、基本的に事前情報のない初見のボスとは戦ったことが……、時雨達は一度ありましたね。それに、私の知らないところで情報なしで戦っているかもしれませんが、基本的には誰かが倒したボスと戦っています。そのため、足踏みをしているようです。
テロン!
――――フレンドメッセージが一通届きました。――――
「あ、ザインさんから返事が来た」
私の言葉にみんなが一斉に振り向きました。まぁ、ボスの強さを知る人からの連絡ですから、気になるのでしょう。えーと、どれどれ。
「あー、なるほど」
無言の視線が突き刺さってきます。ちょっと面白いのでこのまま意味深に振る舞っていましょう。
「あ、気にせず悩んでていいよ。ふむふむ」
…………無言の時が過ぎていきます。さて、最初に口を開くのは誰でしょうか。
「リーゼロッテ、その返事はボスに関係することか?」
流石はクランリーダーですね。
「そだよ。サハギンサージェントがどのくらい強かったのか聞いたの。……知りたい?」
「聞かせてください、お姉様」
おや、素直にしっかりと頭を下げています。けれど、もう少し悔しそうにしてくれないと楽しめません。最近、ちょっと丁寧に頭を下げれば簡単に教えてくれると思われている気がするんですよねぇ。やはり、姉の威厳と理不尽さを見せつけるべきでしょうか。
「はーづーちー、最近ー、お姉様のことー甘く見すぎてるよねー。私がそんなにちょろいとでも?」
「ふっ」
おやおやおやおや、ハヅチが鼻で笑いましたよ。ふふふ。生意気にも不敵に笑いメニューを操作しているので、何を出すのか楽しみですねぇ。ええ、楽しみですよ。
そして、ハヅチが実体化したのは――。
「こ……これは……」
「帽子だけは完成させたぞ」
ハヅチが手にしているもの。それは、先の折れた三角帽です。しかも、三角の下の方に少し暗い赤の布が巻いてあり、いい感じに端がなびいています。そして、一番のポイントは八咫烏と狸のデフォルメされたワッペンです。小さめではありますが、いいアクセントになっていますよ。
膝をついた私は、ザインさんからのメッセージを可視化し、見せると同時に新しい三角帽を下賜されるかの如く受け取りました。
今日はこの新しい帽子に免じて勘弁してあげましょう。
「ありがとうございます」
――――――――――――――――
【魔女志願者の帽子・二式】
魔女を目指す者が身に着けている先折れ三角帽
従えている従魔を示す飾りがある
耐久:100%
防御力:▲
魔法防御:▲
INT:▲
MP:▲
MP回復量:▲
――――――――――――――――
識別してみるとこうなっていました。早速魔力付与をして、装備を切り替えましょう。今までの帽子は課金枠の切り替え欄に入れたので、インベントリを1ヵ所専有することもありません。まぁ、数が増えたら保管派としてしっかりと並べ替えますが。
「なるほど、ボスとしての強さはあるが、最前線のプレイヤーからすれば初見でも倒せる相手。取り巻きの対処を間違えなければ、そこまで行けるプレイヤーなら倒せるだろう。か」
ハヅチからメッセージの転送を頼まれましたが、私は今帽子のワッペンをヤタと信楽に見せるのに忙しいんですよね。
一部機能を操作可能にしたので、自分でやってもらいましょう。
ほーら、ヤタと信楽のデフォルメワッペンだよー。
『KAA』
『TANU』
「さて、リーゼロッテは使い物にならないから俺達だけで話すけど、どうする?」
「ボス戦の仕様がわからないけど、まだ行けるかわからないんだよね」
………………
…………
……
「よし、準備して行くだけ行ってみるか」
「それもそうだね。行けなかったら何考えても意味ないし。リーゼロッテもそれでいい?」
「へ? なになに?」
「だから、一度行ってみようってことになったの。流石に今からだと急だから、明日の午後か夜のつもりだけど、リーゼロッテも行くでしょ」
おや、私がヤタと信楽と戯れている間にそんなことになっていたとは。まぁ、いずれは行くわけですし、異論はありません。それでは私も準備をしましょう。
【願いの長杖】は新調してからまだ修理していませんし、他の装備も耐久の回復をした方が良さそうですね。
「ハヅチ、装備の修理頼める?」
「あー……そうだな。一応修理依頼出しといてくれ」
おや、妙な間がありましたね、ちょっと期待したくはありますが、断言しなかったので、口には出さないでおきましょう。
シェリスさんは料金割増で急ぎの修理依頼を受けてくれたので、開放出来たら優先的に情報を流すことにしましょう。
その後は、日課とみんなから頼まれた料理とポーションを作っていると、ハヅチが私の外套と手袋以外を先に修理して返してくれました。後の2つはログアウト前にでも送っておいてくれとのことなので、これは自由に出歩けそうですね。流石に杖は【下級悪魔の杖】を使うことになるので、オークへの必要数が変わってしまうため、用心する必要はありますが、早速スキルレベルを上げに行きましょう。
ちなみに、時雨は金属武器しか修理出来ないらしく、金属鎧を装備しているクランメンバーは馴染みの生産者の元へと向かっているため、完全にバラけることになりました。
そして、慎重に行動した結果。
ピコン!
――――System Message・所持スキルがLVMAXになりました――――
【地魔法】がLV50MAXになったため、上位スキルが開放されました。
【大地魔法】 SP5
【地脈魔法】 SP5
これらスキルが取得出来ます。
――――――――――――――――――――――――――――――
何とか地魔法だけはカンストさせました。大地魔法ではアースボムを、地脈魔法ではディグを覚えました。このディグという魔法ですが、簡単に言えば穴掘り魔法です。MPを消費した量で掘れる量が変わるのですが、じわじわと穴が開くので何に使えるのかよくわかりません。
それでは、外套と手袋の修理依頼を出してログアウトです。
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