どうしちゃったの? お兄ちゃん、早くデートしようよ
一ノ瀬 彩音
第1話 私はお兄ちゃんとデートしたいⅠ
私にはお兄ちゃんがいるのですが、お兄ちゃんは御曹司なので
なかなか私とデートしてくれないのです。
私自身はお兄ちゃんとデートしたくて堪らないのに、お兄ちゃんの所へ
行っても公務が忙しいからすまないの言葉しかありません。
そんな私は一体どうすればいいのかと考えていると、私が公務のお手伝いを
すれば早く終わって私とデート出来るようになるかもしれない。
もし、公務のお手伝いの許可が出なければ意味もありません。
私のお名前は
お兄ちゃんのお名前が
早速、私はお兄ちゃんのお部屋へと向かう事にしていると、使用人と鉢合わせ
してしまって使用人から
「沙苗様、どちらに行かれるのですか?」
「お兄ちゃんの所だよ」
「それはいけません、公務のお邪魔になります」
「どうしていけないのよ、使用人の分際で」
「あらまっ、そういう口の利き方はいけませんよ」
「別にいいじゃない」
「良くありません」
「わ、私はお兄ちゃんの所へ行くからね!」
「行ってはいけません!」
「行くって言ってるの!」
「行ってはいけません! 公務のお邪魔になるんですよ」
このままではお兄ちゃんの所へ行く事が出来ない私は何か対策を考えないと
いけないと思いました。
どういうふうな対策を考えればいいのかなって考えていると、私はある事を
使用人に言えばいいのかなって思いつきます。
「ねぇ、私にそんな事を言うと解雇しちゃうけど、いいの?」
「面白い事を言うのね、沙苗様にはそんな権限ございません」
「どうしてそんな事がわかるのよ」
「沙苗様は無職ですし、無職の人に何を言われても気にしません」
「だったら、お兄ちゃんに言いつけちゃうけど、いいのね!」
「そ、それは困ります、おやめ下さい」
「だったらさ、お兄ちゃんの所へ行ってもいいよね」
「は、はい、ただし、ご迷惑をかけてはいけませんよ」
「そのくらいわかってるよ」
やっと使用人との会話が終わると、お兄ちゃんの所へ行く私がいますが、
お兄ちゃんは私が公務のお手伝いする事に許可を出してくれるのかな。
そんな事をしているとお兄ちゃんのお部屋の前に着くと、私はドアをノック
するとお部屋の中からお兄ちゃんの声が聞こえてくる。
「誰だ? 今は公務で忙しいんだ、後にしてくれ」
「お兄ちゃん、沙苗だよ」
「沙苗か、どうしたんだ」
「お兄ちゃんとお話をしたくてダメかな」
「お部屋の中へ入ってきていいぞ」
「うん」
私はドアを開けてお部屋の中へ入ると静かにドアを閉めて
高級そうなソファーがあるのでそこまで歩いて
座る事にしたのです。
お兄ちゃんは今も公務のお仕事に追われていて必死に頑張って
いる所を見ると、私はすごいなと思います。
「それで沙苗、お話とは何だ?」
「そのね、お兄ちゃんとデートしたいの、ダメ?」
「すまない、公務が忙しいから無理だ」
「そんな事を言わないで、お兄ちゃん」
「無理なものは無理だ」
こうやってお兄ちゃんにデートしたいって言っても公務が忙しいからと
邪険にされてしまうのです。
「じゃ、じゃあ、私も公務を手伝うよ、ダメ?」
「沙苗はそんな事をしている場合じゃないだろ」
「ど、どうしてよ」
「いい加減に職探ししてお仕事をしないと両親に怒られるぞ」
「そ、そんな事はないもん」
「はぁっ、沙苗、どうしてお前はお仕事をしないんだよ」
「だってお兄ちゃんと離れるのは嫌だしね」
「同じ1つ屋根の下で暮らしているのに離れるとかおかしいだろ」
「お兄ちゃんは御曹司だから、そのうちに素敵な女性と結婚するじゃない」
「そんなのはまだ先のお話じゃないか」
「そ、それはそうだけどさ」
「デートしないからな」
「嫌だよ、デートしてくれないとここで大声出すよ」
「な、何を言っているんだ、沙苗」
「お兄ちゃんがデートしてくれないのがいけないんでしょ」
「それはな、公務が本当に忙しんだよ、わかるだろ」
「うぅぅぅぅぅ、お兄ちゃんの意地悪」
私はついに泣き出してしまうとどうしていいのかがわからなくなります。
そんな姿を見たお兄ちゃんは公務を中断して私の所へ来ると
「悪かった、お兄ちゃんが悪いな」
「………………」
「公務のお仕事を手伝ってくれるか?」
「う、うん」
「一緒に早く終わらせてデートしような」
「うん」
お兄ちゃんから公務のお仕事を手伝ってくれるかという言葉が出てきて
私はとても嬉しく思いました。
これで公務を早く終わらせてお兄ちゃんとデートするんだと思っている。
そもそも公務ってどんなお仕事なんだろうと考え込んでしまう私が
いますが、そんな事は後回しでいいかなって思います。
私はお兄ちゃんとデートするために公務のお手伝いを頑張ると決めたの。
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