第7話 第1次 大平洋沖海戦 昼戦 その一

パッパラッパパッパラッパパッパラッパパッパパー、パッパラッパパッパラッパパッパラッパパッパパー!


起床のラッパがうるさく感じる。昨日?は結構遅く寝たから起きるのが辛い。


でもそんなこと言ってられないので、ばっと起きて準備して、朝ごはんを食べに行く。




「おはようございます!旭川研究官!」


食堂で座ろうとすると後ろから突然声をかけられる。


・・・うーん、どこかで見た事ある気がするんだけど、よく覚えていない。


「おはようございます。」


とりあえず返事をする。覚えてないということを悟られないようにしなければ。


「前いいですか?」


「どうぞ。」




だんだん思い出してくる。えーっと、たしか、・・・佐藤?後藤?1尉なのは確かだ。


記憶の中では艦橋ブリッジに居たぞ。・・・じゃあ1尉じゃないのかな?


「朝起きるのは辛いですか?」


「はい。いつも7時30分起きだったので、結構辛いです。」


「ですよねー、僕も入った時めっちゃ辛かったんですよ!」


そんなたわいの無い会話をしているうちに2人とも食べ終わる。


「じゃあお先に失礼します!」


「訓練頑張って下さいね。」


うーん、感じ悪くなかったかな?


そんなことが気になるものの、気にする暇はないのですぐさまCICに向かう。




カードキー、指紋認証、歩容認証を短時間で済ませる。まだしょうかくに乗って2日目だが、この作業は慣れてしまった。


おはようございまーす、と挨拶をしながらCICに入る。すると艦長と艦隊司令が複数の隊員と話していた。



そんな事はここに来て初めてだったため、遠くから、何をしているんだろ〜?と言う感じで眺めていると、大きな声で呼ばれる。




「おう、いい時にきたな。」


艦長がカッコつけたように言う。


・・・正直そこまでかっこよくはない。


「何かあったんですか?」


特に気にせず聞く。


「この情報は・・・えーっと、STAGE6だ。いいな?」


「全然大丈夫です。」


「えーっと、本艦隊俺らの北西約320㎞を哨戒していたミサイル艇がレーダーで大型航空母艦3隻を含む敵艦隊12隻を発見。」


「空母ですか・・・。」


「それでそろそろ発見した海域に転針しようって話をしていたんだ。」


「他の人にはこの情報は行ってないんですか?」



「そりゃあ、STAGE6だからなぁ。」


えっ、STAGE6って1部の人しか見れないの?



俺らは(嫌味ではないが)STAGE7最高軍事機密とか普通に扱うから今まで知らなかった。


「1つ聞きたいんですけど、なぜ私は呼ばれたんでしょうか?」


何か別の任務?があるのだろうか。


「旭川研究官には戦力不足だ、というレポートをまとめて貰おうと思う。」


「・・・はい?」


今戦力不足って聞こえたんだけど・・・。


「だから、俺らはそこまで強くないって上に言って欲しいんだ。」


「なんでですか!?」


「なんでっていわれてもなぁ。・・・戦力はもっと欲しいじゃん?」


おいおい、この人は本当に艦長なのか。この艦に乗ってから驚く事が連続している。















それは転針してすぐ始まった。


「前方250㎞から敵戦闘機と思われる無数のレーダー反射あり敵戦闘機と思われる!」


「緊急第1次戦闘配備!」


「緊急第1次戦闘配備!」


スピーカーからjアラートのサイレンのような音が聞こえる。


初めての戦闘、ここで沈みたくはない。


でも焦らず、自分の仕事であるレポートを書き始める。


「アルバート、トレッド隊発艦始め!!」


「アルバート、トレッド発艦始めます。」


合計50機のF/A-56Gが発艦を始める。


それはとても素早く、とても美しいものだった。


「アルバート、トレッド隊発艦終了!」


「1機も近づけるなよ!」


艦長は願うかのようにそう言った。


しかし、現実は甘くなかった。




「戦闘機群、会敵マージまであと15秒!」


「各機ミサイル発射!」


攻撃を始める。だが


「アルバート05、09、12、16、19、23、トレッド07、16、17、18、22、25撃墜されました!」


「救難信号は!?」


「アルバート22以外出ています!」


「・・・クソッ!!」


艦長には仲間を失った事を悲しむ暇などはない。


「敵の戦闘機5機抜けてきます!!」


「アラバマ隊は出せるか!?」


「出せますが間に合いません!!」


「第3次戦闘配備!!これより対空戦闘を行う!!」


「第3次戦闘配備!対空戦闘よーい!」


ピピピピピピピピピピピピピ・・・・・・


「全艦対空戦闘開始!!」


「全艦戦闘開始!これより武器の無制限使用を認める!!」


「中SAM発射!短SAMも射程に入り次第発射!」


「中SAM発射よーい、てー!」


ウィーン、ガコン、・・・ゴシュゥー!!


「パーズアウェイ!・・・インターセプトまであと10秒、5、4、3、2、1、マークインターセプト」


「1機撃墜!残り4機は健在!」


「続けて第2射よーい、てー!!」


ガガガガガコン、・・・ゴシュゥー!!


「パーズアウェイ!」


「敵機またも回避!・・・敵ミサイル発射!!」「SAMの発射間に合いません!!」


「第3戦速!おもーかーじ!SHERAM発射!!」


「第3せんそーく!おもーかーじ!」「SHERAM発射よーい、てー!!」


ポン、ボシューー!!ポン、ボシュー!!・・・


「第3戦速、面舵15度!」


「総員、衝撃に備えっ!」


「対衝撃態勢っ!!」


ここで死ぬのか!?まだだ!ここで死ぬ訳には行かない!


ダァンダァン!!・・・ダダァン!!ダァン!








「ぜっ、全ミサイル撃墜っ!敵戦闘機4機撤退します!」


この艦怖!まじで降りたい!・・・でも正直なんか楽しい!


「よし!舵もどーせー!SAM発射!」


「舵もどーせー!」 「SAM発射よーい、てー!」


「アラバマ隊発艦!」


「アラバマ隊発艦開始します!」「SAM、インターセフトまで10秒・・・5、4、3、2、1、マークインターセフト!」「・・・残り4機撃墜!」


「アラバマをトレッド達の援護に向かわせろ!」


「了解!」


「北西約30㎞より魚雷発射音!魚雷が発射された!命中まであと50秒!」「敵艦隊捕捉!!」


「デコイを撒け!」


「デコイ発射!」


「・・・魚雷デコイに食いつきました!」


すると右前方約600mに大きな白い玉が2つ浮かび上がる。


ドドゴォォン!・・・・・・




「せっ、潜水艦撃沈!しらぬいが敵潜水艦2隻を撃沈したと思われます!」


「全く・・・抜け目がないな、郷右近艦長は・・・」


艦長が苦笑いしている。しらぬいのⅠ郷右近ごうこん艦長、まだ会ったことはないがかなりの実力者らしい。


「よし、俺らも負けては居られないな。機関長、最大戦速(許容範囲越え)第2最大戦速は何分出せる?」


はい?第2最大戦速?何それ怖い。


「10分程であれば出せます。」


「6分で片付ける。アルキナード隊も発艦!俺らは敵艦隊に突っ込むぞ!」


突っ込むの!?えっ!?ちょっ!?・・・でもなんかもういいや。室長みたいなノリなんだろ?うん。


「アルキナード隊発艦!」


「しょうかくより全艦に連絡。"我らは無敵なり”、繰り返す、"我らは無敵なり”。」


「第2最大戦速よーい!」


「セーフティーロック解除!第2最大戦速よーい!」


「発艦終了!」


「面舵10!敵艦隊の左側に回れ!」


「左砲戦!合戦よーい!」


あれ?最初の方で合戦よーい出してなかったっけ?


「敵艦隊発砲!」


「超最大戦そーく!突撃開始!!」


すると第二艦隊の猛獣達艦艇が唸り声を上げる。


「SHERAM発射!」


「SHERAM発射!」


発射よーい、って言わないのか。なんか面白いな。




柊のテンションはだんだんおかしく上がっていく。




突撃してから4分程経つと、めちゃくちゃな報告が飛んでくる。



「やまが被弾!そのまま突撃します!」


「すずや左舷被弾!炎上します!」


「すずや機関停止しました!しかし現在も攻撃中!」


「はぎつきが敵巡洋艦撃沈!しらぬいは駆逐艦を現在攻撃している模様!」


「たかおが敵駆逐艦に乗り上げました!」


「乗り上げられた敵駆逐艦中央から折れます!・・・炎でたかおを目視出来ません!」


「・・・たかおは健在!敵駆逐艦撃沈!」


「敵駆逐艦及び巡洋艦撃沈!飛行隊の飽和攻撃です!」


「アルバート04、08、15、19、トレッド05、アルキナード24撃墜!しかし全機より救難信号が出ています!」


「やまが敵空母を撃沈!」「敵艦隊がガードチャンネルより降伏を申し出ました!」


「・・・分かった。全艦放送繋げ。」


「・・・繋ぎました。」


「全艦戦闘用具収め。繰り返す。全艦戦闘用具収め。敵艦隊の降伏を受け入れる。」


「戦闘用具収め!」


「戦闘終了。記録員はデーターをまとめておけ。」


「了解しました。」


やっとのことで戦闘が終了した。


「すずやはどうしますか?」


「やまに曳航させろ。」


「了解!」


「さあ研究官、行くぞ。」


艦長が笑っている。・・・いや、本当に笑っているのだろうか。


「今行きます!」


そう言って艦長と司令を追いかける。









┄┄解説及びあとがき┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄


第2最大戦速


しょうかく型など第二艦隊に搭載された謎のブースター?


存在を知っているのはCICのメンバーと河村元研究官のみのようだ。









更新遅れました!すみません!

ちょっと学校で色々テストありまして、書く暇がありませんでした。


まあこれからは書くスピードを上げられると思うので楽しみにしといてください。

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