貢ぎ物は……
どうも、精霊です。
セイコの持ってる龍のウロコの気配を追ってたんだけど、さっきまで遺跡の研究してましたって恰好の集団が逃げてきたんだよ。
どうした? って聞いたら、鬼に羽が生えてたって言うんだよ。
セイコか、犯人のどちらかだな。
そんで近くまで行ったら爆発したんだけどさ、爆風が冷たいんだよね。それも懐に忍ばせた天空酒が凍るくらいだからね。
これ絶対セイコだよ。
あげた『氷と遊ぼう』の加護、上手く使えてるじゃん。
さすがだね、いいね、いいね。
そんな感じでね、怯えるテンタとシャラクを連れて行ったんだよ。
そしたらね……
氷の鬼が羽ばたいてました。
セイコだったか……
「もう敵はここにいないよ」って、聞いてもらうまでに辺り一面が氷付けになったよね。
まさか三人にあげた『痛いの嫌だから守ってね』の加護がこんなところで役に立つなんて思わなかったわ。
そんでね、セイコは雀の羽を付けられたみたいなんだよ。
絶対に本人には言えないけど、氷を纏う姿は羽の生えた鬼にしか見えなかったね。
それから、気になるのはセイコの証言だよ。
「髪も瞳も服も、何もかもが灰色な人間の男にケンカを売られたから、全力で買った」
お願いだから高価買取しないで……。
そんでね
「人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間!」
ってこんな感じだっらしくてさ。
クズとかゲスとか言って攻撃してきたから、思い付く限りの暴言を吐いて応戦してやったそうです。
どうも、加護があるから攻撃が思ったように効かなくて、さらに腹を立てて動物の何かしらを付けて逃げたみたいなんだよね。
話だけ聞くと犯人はめちゃくちゃ子供っぽいんだけど、魔力が強そうだから厄介なんだよなぁ。
あぁ……まだ書きたいことはあるんだけど、セイコに日記を見られたので終わります。
鬼とか言ってごめんなさい。
許してください。
なんでもあげます。
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