T.Oの書

柄針

第一章 光の誕生と世界の誕生

 何も存在しない『無』の中に、一つの『光』が生まれた。ただの、光。


 その光に釣られ、新たな光が無の中に誕生した。しかし、二つの光は同じ輝きを放っており、お互いの存在を区別することが出来なかった。


 初めに生まれた光は、互いを区別するために『色』を持った。そしてもう一つの光は、区別されて成長するために『時』を持った。


 色と時。やがて魔法と呼ばれる二つの光が生まれたことにより、無は色付き、時が流れ、世界が生まれた。


 未だ無から生み出される光には、多くの色がつけられた。赤い光、緑の光、青の光。複数の色が合わさる事で生まれる光も存在した。そして、それらの光は『時』が存在することにより、成長し、力を得て、繁栄していった。


 やがて、光からは魔法使いが生まれ、役目を終えた光は精霊となり自身の光の種族と、世界そのものを見守って眠りについた。

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