俺達は海へ! その1
今日は約束していた海に行く日。
雪野先輩のお姉さんが車を用意してくれるらしく俺は家で待機中だ。
「お兄ちゃん。どこか行くの?」
「あぁ。海に行ってくる。」
「ふーん。」
実は俺には妹がいる。
柚葉ひおそらく俺の記憶喪失の事に気付いていない。親は俺の事を言えば柚葉傷つくと思い、言っていないのだろう。
俺もそろそろ親に記憶喪失の事について話さないといけない。決着をつけたいんだ。
その時、ピンポーンとなる。
「おっ、来た。」
急いで玄関に向かい靴を履く。
「じゃ、行ってくるな。寂しくて泣くんじゃねーぞ?」
「な、泣かないわよ!」
そうして扉を開ける。
「ちわ。」
「おー。もっちん!なんか久しぶりだね!!」
「夏休みですしね。」
車に乗り込むとそこにはすでに愛染、桃白、足塚先輩がいた。
そして運転席には雪野先輩の姉と思われる人物がいた。
肩までかかった髪を一つに結んでおり、それと、………なんて包容力のある胸なんだ。
「山本慎二です。今日はよろしくお願いします。」
「おぉ、君がもっちん君か。よろしくー。」
そう言い、俺の頭を掴み胸に引き寄せる。
あぁ……幸せだ……。
「ちょ、お姉ちゃん。もっちん困ってるよー。」
「そう?ごめんね?」
「いえ……大丈夫です。」
雪野先輩の姉の胸から解放され、席にぐったりと座る。
「慎二。いいなぁー。」
「あらためて
「よ、よろしくお願いします。」
俺、初めてラブコメ的な体験をした気がする……ありがとうございます!!
「よし、最後はあいっちの家だね。よしれっつごー!」
俺の家から車を走らせ約15分。夏樹の家に着いた。
大きな家で、羨ましいな。
「がっ……」
「………どうした?」
突然の頭痛に頭を抱える。
少女とよくここで遊んだ事がある。
夏樹なのか……?いや、ここは夏樹の家なんだし間違いはないのだろう。
再び
夏樹の家でよく遊んでいた……?
「………山本。」
「あっ!はい。大丈夫です。」
足塚先輩により、記憶の意識から戻る。
前にもあったけどこれは
もし仮に
みんなの事、忘れるのかなぁ。
そんな事を考えているといつの間にか夏樹が車の中に来ていた。
美優さんとの挨拶も済ませとうとう海へ出発の時だってのに、俺はあまり盛り上がらなかった。
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