〝冒険都市〟マイラートと愉快な馬鹿共
流れていく景色は、雄大だ。
横にさらさらーっと流れていく感じは何とも言えねー感慨深さがある。
・・・・・・縦にもゆれっけど。
「どうしたの?大丈夫?」
「ん?ああ、問題ねーよ。ちょっとこいつの揺れ酷いなって思っただけだ」
フィフェは可愛い。
左隣に居るんだが、日の光がそっちから差し込んでくるから後光が差してんだよ。
もう、拝みたくなるね。寧ろ拝む。ありがたや~。
「?」
「何でもねーよ」
もう、メロメロだ。お手上げさ。白旗の乱立だっつーの。
「・・・・・・若いのお。儂の存在は何度空気になるんだ?」
「さーな。俺とフィフェを引き離せると思うな!」
「・・・誰も引き離さんて」
白い長髪がはためく老人。つっても顎髭でそう見えるだけで、実年齢は分かんねー。背筋はめっちゃ伸びてるしな。
長剣を腰に佩いているのがものすごーく似合っている。
「ファーザーさん、後どのくらいで着くの?」
「ふぅむ、あと
「今更なんだけどさ、俺らどこに向かってんだ?」
「今更過ぎるわ」
今、このぼろ馬車の中にいるのは俺とフィフェ、手綱を持っているのがファーザーだ。何故かは知んねーけど、色眼鏡を付けてるファーザー(比喩ではない)。あれで前見えんのか?
疑問は尽きない馬車の旅。
取り敢えずフィフェが可愛いのでこれもよし。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
あの後、俺たちはファーザーと名乗った老人と共に王都を出た。
もう、それから三日たっている。
馬車の中って
しかし、今の身体の疲れに比べりゃまし?
何があったかっつーと、いろいろあった。
一日目の寝起きに盗賊が来たりとか、二日目の昼間に何か堅い熊が出たりとか、昨日の黒い悪魔パレードとか。最後のはマジできつかった。マジで。
極めつけは昨晩の摸擬戦だな。
あのじじい、クッソ強いんだ。何あれ、訳分かんないんだけど。
え?回想?
しませんよ、そんなもん。
俺より早く動いて薄皮一枚を切り裂きまくる爺さんの剣技とか、知りたいか?
俺ならやだぜ?
―――――では、私が回想を!
死ね、駄女神。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さすがは、〝無双の剣聖〟といったところでしょうか。
摸擬戦が始まるとなり、構えて向き合ってから
トーゴの頬を伝う冷や汗の流れだけが時の流れを示すのではないのか。そう思うほどにトーゴもグランド・ファーザーも動きません。
「来ないのか?」
「・・・・・・つっえぇなぁ」
「ふむ・・・私から行こう」
ほんの少しの会話の後、ただ柄の上に置いていただけの右手が動きます。
それは、疾風の如き速さで三角牛の突進よりも重く振りぬかれた剣。
ファーザーの藍に包まれた金の目はただトーゴの黒い瞳のみを射抜いています。
無機質に無感情に振りぬかれる剣には勘が働きづらいのでしょう。トーゴの動きが一手遅れます。
横なぎの一撃に対し、一歩後ろに下がって回避しましたが、既に前に出始めていたファーザーの二手目が追い縋ります。
不自然に綺麗なほど首を狙った一撃はしゃがみ込むことで避けきりますが、頭上から振り下ろされた剣を避けることは叶わず。
「トーゴっ!」
「大丈夫だ、フィフェ」
左手の甲を削られながらも剣を逸らして負けは回避します。
「ふぅむ。まだ戦い慣れてはいないがセンスはある。この分なら
すでに剣を引き、いつの間にやら元の位置へと戻っているファーザーは静かに語ります。
「儂等が所属する冒険者クラン《
其の金の瞳が首を鳴らすトーゴの黒い瞳を見据えて、問いを。
「お主は、自由を求めるか?真の意味で冒険者となるか?」
静かな静かな夕暮れ時の一幕。
若人を導くことを好む老人は、ギラつく瞳と抑えきれないかのように口元に現れる笑みをたたえる少年の返しに耳を傾けます。
しかし、—————
「堅ッ苦しーんだよ!どーでもいーわ、そんなん!俺は、俺のやりてーようにやる!生きてーように生きる!バーさんが死んだときに決めてんだよ!」
自分の根幹とでもいうべきところを叫ぶトーゴ。
奇しくも、運命であるかのように、それは先に言われた《
自然な流れで獣人型に変化し激流の様な激しさをもって右の拳を突き出しましたが、剣柄によって逸らされ、続いて抜かれた片刃の剣に肩の薄皮を切り裂かれる。
学ランがぼろぼろになってしまっています。
そこからも、一方的な戦いでした。
手を変え品を変え、姿かたちすら変えて迫るトーゴの猛攻をファーザーは悠々と〝業〟で受け流し一撃ずつ重ねていきました。
「だぁーーーーーーーッ!全然かてねぇ!」
「簡単に負けてしまっては経験が泣くからな。儂とて世界の実力者の一角を担っていると自負している」
投げ出したトーゴにも、悠然と佇むファーザーにも顔には笑みが浮かんでいました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
回想長いわ、クソ駄女神。
―――――言い始めから!?
とりま、フィフェは可愛い。
―――――脈絡はどこに!?
「どうしたの?」
「いや、何にもねーぞ。体がすこぶるいてーだけで」
「痛い?どこうか?」
「いや、どかれたら泣く。心が痛くなる」
「なら、いる」
よし。可愛い。
―――――・・・ばかっぷるですか?
おう!
―――――・・・・・・・・・
よし、次!
そして十分ぐらいたったかなって時。
「おい、おっさん。絶対道間違えてんだろ」
「いや、そんなことはないよ。後もうすぐだ。
「・・・でも」
ほれ、フィフェすら訝しげだぜ?
可愛い眉根に皺が寄ってるぜ?
「すまんな、こんな
ほう。
これを道と申すか。
あたりを見回してみるがそんな感想は一つたりとも抱けねー。
だってさ、前は鬱蒼とした森林。右は鬱蒼とした森林、左は鬱蒼とし森林、後ろまで鬱蒼とした森林、上を見上げても密集した緑に遮られて青い空が見えてこねー。百人一首に漏れいづる月のさやけさってあったけどよ。この状況って言うなれば漏れいづる日のさやけさだぜ?
地面は落ち葉でおおわれてふわっふわしてるし。
そもそも、森の手前のようわからん馬車置場で降りたとこらへんからおかしいと思ってたんだよ。
びっくりするぐらい童心くすぐられる森だけどさー、かーなーり歩くにはしんどいんだわ。
「これは森だろ。千歩譲っても獣道・・・にすら見えねーな。草も倒れてねーし」
「いや、これはれっきとした道なんだ。私たちの様なものしか使わない、な」
どー言う意味だろーな。
「ほれ、見えたぞ。〝冒険都市〟マイラートだ。そして、我等がクラン《
森をすっと抜けて見えてきた。
そこは賑やかで活気ある、喧騒に包まれた森の中の都市だった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「こっちよっといでッ!うまい
「おお、兄ちゃん強そうだなァ!このガントレット買ってかねぇかい?」
「可愛いお嬢さんに首飾りのプレゼントはどうだい?」
「ひっさしぶりだねぇ、ファーザーさん」
「いや、これは久しぶりだご婦人」
「お嬢ちゃんお嬢ちゃん、彼氏に服買ってもらいたくないかい?」
「小僧強そうだな、俺と勝負しないか?」
一歩踏み入れば、そこは下町の商店街。
こんなとこまで都市じゃなくていいわ!
「ダァーッ!うるせーんだよ!リンゴは要らねー、ガントレットもだな、プレゼントは後で見繕うから取っといてくれ!あっと、そこのおっさん、勝負はまた後でにしといてくれい!」
「「「「気風がいいねぇ、兄ちゃん!」」」」
「あんがとよッ!」
この空気好きだー。
おらこの町に住むだー。
「さぁ、もうすぐだ。この商店街はいつも通り活気があふれていていいな」
「ちょっとうっせーけどいいな。この空気、俺は好きだ」
「うん、私も、嫌いじゃない。トーゴと一緒だからすごく好き」
「おおう、効果は抜群だぜ」
ほんと、ちょっとハートがぶち抜かれましたよ。
可愛すぎますよ、うちの恋人さんはさ。
「・・・本当に若いなぁ」
しみじみとしたファーザーの言葉は、商店街の客引きに呑まれて消えた。
いま、俺たちの目の前には何か建物?があります。
これ、でいいのか?
「ここがクランハウスだ」
「ボッロ」
「言ってくれるな・・・」
しゃーなくね?
端的にこのぼろ屋を表すなら、屋根には穴が開き、壁は蔦と傷でおおわれ、クランの名前が入れられた看板は傾き、ドアは壊れて落ちている。廃屋だな。
「いや、金がないというわけではない。危険地帯の中にあるからこそこの都市では仕事に欠かないしな。だが、治してもどうせすぐに誰かが壊すんだ。それなら最初から壊れていてもいいだろう」
「良くねーだろ。壊させねーようにしろよ」
「いや、耳が痛い」
顎鬚をさすりつつ後ろ頭を掻くファーザーの姿に何か哀愁が漂っている。
「ん、さっさと入ろ?トーゴと一緒なら全然大丈夫」
「それ、ぼろ屋は嫌だって言ってるよな。よし、治すか」
―――――行動力が明後日の方向を向いてますね。
ボキボキっと首を鳴らしながら可愛いフィフェのためにやる気を見せていると、おっさんは苦笑しながらまずは中に入れと諭してきた。
「クランに加入してからでもいいだろう」
「ま、それもそーだな」
俺とフィフェは、そうやってごっちゃごちゃした空気の下、長い時間を過ごすことになるクランハウスの門戸を叩いた。
「ん?誰だーッって、教官!?」
扉に程近いテーブル席で髭もじゃのちっさいおっさんが。
「へふぇぇ!?ファーザーさんが帰って来たぁ!?」
壁際でテーブルから落っこちたのは、鰐の特徴持った魔女風の女。
「よう、爺。早いお帰りじゃないの」
カクテルでも入ってそうなグラスを掲げて笑うのは黒髪の犯罪者面した男。
「だッはッはッは、お前も来たかァ、ゴート!」
どっかで見たことのある金髪の男が。
「トーゴな?名前ぐらい覚えてやれ」
もう、ネタだろってレベルの突っ込みをかます鱗付き蠍のおっさんがいて。
「教導官のお帰りだァ、てめーら出会え、出会えぇ!」
何か叫んでやがる小僧が居て。
「・・・(すっ)」
何も言わずにジョッキを掲げる金髪の優男が机に突っ伏してて。
「てめーは何か喋れや、陰気くっさいなァ!!」
そいつの背中を叩く陽気な大男が居て。
「こんな時間から酒飲んでるからそうなんだよ、馬鹿共が!」
そいつらのバカ騒ぎを一括する大蛇が大黒柱に絡みついてて。
ここ、詐欺じゃね?さっき見た外より断然広いじゃねーか。
・・・ちょっとまてぃ!最後なんか蛇が喋っとる!!
「やぁ、マスター。今日も今日とて蛇だな」
「蛇が蛇しとらん時があるのか、ファーザー?」
「何なんだ、この会話!?」
「この小僧、ええ突っ込みもっとるのお」
「えせ関西人の爺か!」
「カンサイジンとは?」
「おおう、忘れ取ったわ」
口調移っちまったでねーがよ!
おっと、いけねー。田舎言葉が。(注:主人公は田舎生まれではありません。あくまでネタです)
テロップいらんわ!
「おいおい、元気のイイ小僧だな。あんたが連れてくるなんて、よっぽど見込みでもあんのか?」
「そうだな。それよりも儂はお主がおることに驚いたがな」
「たまたま、〝三巨頭〟が勢ぞろいなんて笑えねえなァ!」
何だこいつ。
背筋にぞわって鳥肌が立った。
木製のジョッキを持ったままの黒髪の男。乱雑な髪型は中身の大雑把さを見せているが、その視線に込められた『圧』は異常だ。
ともすれば、
「初めてだな、小僧。俺は、オルグィウス。
けどよぉ、一個だけ気に入らねーから噛みつこうか。
俺の方が弱いと確信できても、噛みつかねー理由にはなんねー。
「オルグィウスだっけ?てめー、さっきから俺だけで、こんなに可愛いフィフェの事無視しやがって。仕舞にゃ殴んぞ?」
「へぇ・・・」
瞬間、俺を
上から、右から、左から、前から後ろから。骨が砕けるぐらいにやべーと思える圧力がかかった。
「この俺に噛みつけるってこたぁ、それなりにつえぇんだろうなァ?」
まるで、
狡猾なまでに効率よく暴力をふるう。
非力にすぎねー蛇じゃねぇ。狡猾なだけの狐じゃねぇ。暴力なだけの猪じゃねぇ。威張り散らすだけの虎じゃねぇ。
こいつは強すぎるな。
けどさァ!!
「てめー、
「ほお」
それは、ちげー所からの声だった。
「小僧、この男の実力を見抜いておるのか」
「トーゴは、低く見積もっても
クランマスターの興味深げな声とおっさんの援護射撃—————といってもどーなんかよく分からん―――――によって、一瞬、オルグィウスの興味が逸れた。
「へぇ、そりゃ面白いな」
――――――――――渦よ、巻きやがれ。
全く動けずに立ち尽くしてた。
それは間違いねー。
でもな、でもだ。
「俺の可愛いフィフェを馬鹿にされて、黙って動けねー何てのは、趣味じゃねーんだよ!!」
渦が、肌のすぐ下を荒れてる気分になる。
いや、マジで荒れてるんだろーな。銀に近い黒の光が肌から漏れ始めた。
指が、動く。
腕が動く、肩が動く、頬が動く。拳を作って無理やり笑う。
膝が動く、腰が動く、一歩前に出れる。膝がどうしようもなく笑ってても、一歩ずつ踏みしめる。
「おいおい、面白いじゃねぇか」
オルグィウスが空になったジョッキを後ろに投げた。その目に、鈍い銀色の目に移るのは、好奇の視線にさらされる俺の姿。
「
笑いながらオルグィウスが左手を掲げたら、もう、膝が砕けるぐらいの重さが来てた。
それでも、だ。
「好きな女の前で格好つけらんねー奴は、男じゃねーよなァ!」
耳が消えて、耳が出る。黒い黒いよくきこえる狼の耳が。
ズボンの穴から、尻尾が出る。学ランで隠れてはいたが、結構でかいからな。直さんといかんな。
牙が伸びて、唇にあたる。噛み切っちまったな。鉄の味だ。
爪の伸びた手と腕が黒い毛皮で覆われる。見えちゃいねーが赤黒く染まったシャツの肩あたりまでは圧迫感があるから変わったんだろうな。
「ズァ、ッ!人狼流体術、壱の型〝王牙〟ァッ!!!」
肩落ちした無様な格好から、無理やり、へろっへろの正拳を繰り出す。
ギリギリ、マジでギリギリ。踏み込みから最大まで体を伸ばした状態で、俺の拳が、オルグィウスの胸にあたった。
まぁ、到底耐えきるための体勢じゃねー。
すぐにベシャって潰れちまった。
それでもいーんだ。
これは、俺の誇りを、想いをぶつけたんだから。
「く、クックック、クァッはッはッは!!いい、いいぞ、小僧!俺に一撃浴びせたんだもんな!それが重さになった一撃だ!こりゃぁ、俺の負けだな!小僧、名前は何て言うんだ!」
呵呵大笑だ。沿った背中は弓なりに、折れんじゃね?
「俺は、トーゴ。フィフェの恋人だ」
「も、もう!トーゴ、それ以外にあるでしょ!」
「ない!」
「なくないよ!?」
「だぁっはっはっははっは!いいなぁ、これがアカハルってやつか!」
「カイル。茶々入れるんじゃないよ。そもそも、青春だバカ」
いちいちギャグいれるなー、こいつら・・・
「いいぜ、いい。合格だ!てめーはもう俺らの仲間だぜ、トーゴ!ついでにフィフェ」
「異論はないのお」
「儂が連れてきておる時点で分かるだろうに」
「それでも、やんのがオレら流だろ?」
オルグィウス、クランマスター―――――いー加減に名前知りてーな―――――、ファーザー、名も知らぬ髭。
「しっかし、てめぇも
オルグィウスは二杯目の・・・何杯目だ?二杯目かと思ったらそこら中にジョッキが投げられてんじゃんよ。それを一生懸命に拾ってる奴もいるし。
なんか、かわいそーになってくるぜ。
「お前の称号も見せてくれんのか?」
取り敢えずは交渉な。
「私も、トーゴの称号みたい」
「よっしゃ見よう」
フィフェにそう言われるんなら見るしかねーだろ。
・・・そーいや、エイトの片眼鏡あんの忘れてた。これでおっさんとか見れんじゃん。
「まずは自己紹介からじゃろう。最近の若い者はなっとらんの」
蛇が嘆息吐きよるわ。
蛇ってそんなに寿命ねーだろ。
「まずは吾から。吾はオーム・ルーム。見ての通り蛇じゃ」
ふむ。マスターでいいや。オームなんかルーム何か分からんし。
「儂か。グランド・ファーザー。サブマスターだ。わかっとるだろうがな」
そりゃ、聞いたし。
「それで、言ってなかったが、儂は
「はぁ!?」
【王】って何じゃそりゃ!?王って瞳で決めんのか?
「すまんな、忘れ取った」
「グランド・ファーザー。〝無双の剣聖〟はとっても有名。【鋼変王】にして、【人変王】【超人王】であることは凄く知られてるの」
「知らんかった」
「「「「「「「「「ほぁあああぁ!?」」」」」」」」」
めっちゃ重なんな、おい!
「ウチの教官を知らん、だと!?」
戦慄せんでよろしい。
「も、者どもォ!出会え出あえェ!世間知らずが出たぞ!」
めっちゃ騒ぐなこいつ。ジョッキ拾いはどうしたよ。
「知らなかったの、トーゴ?」
「びっくりした顔が可愛い」
「もう、ふざけちゃダメなの!」
いや、可愛かったから、つい。
「まぁ、後でいいんじゃね?俺はトーゴ。人狼族で、世間知らずだ」
「「見たらわかるわ!」」
「いや、分かんないよ」
おう、みても世間知らずは分からんだろ。
「私は、フィフェ。犬人。トーゴが好きなの」
「俺も好きだ!」
「惚気るな惚気るな。空気が砂糖になる」
オルグィウスが心底嫌そうだ。
「まぁ、いい。俺はオルグィウス。一応、このクランの怪物の一人だぜ?」
そりゃあそうだろーよ。
おっさんと、オルグィウスと、多分酔いつぶれてる金髪の三人だけレベルが違う。
ほかの奴は同じぐらいか俺より下なのに、こいつらだけは逆立ちしても届かねー。
俺だって多分強いのになぁ・・・
「俺はファーグ。教官に拾ってもらった元浮浪児だ。見たらわかるように小人族と多人族のハーフだ」
髭。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
大体、紹介は終わったみてーだ。あのあと、カイル、ライ、グラノッサ―――――鰐魔女―――――、ベインル――――大騒ぎジョッキ拾い小僧―――――と続いて、今起きてる奴は終わった。
まぁ、お楽しみの称号開示タイムだ。
俺と、フィフェは新人ということで全部。オルグィウスは三つだけということが決まった。
「では、よいな?あとは信頼を積み重ねてから教えてもらえ」
「あたりめーだろーが。俺だってあんま見せねーぜ?」
「面白いから、てめぇならいいけどな」
うっせーオルグィウス。
そして、開示したステータスプレート。
最近俺も見てねーから楽しみだぜ。
何だコレェ!?!?!?!
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