第21話

バキャッ!!!


『俺の女にちょっかいだしてんじゃねーよ』


きゅんきゅんきゅ~んっ❤……


(えっ? えっ? えっ?

 一ノ瀬君って、こんなにかっこよかった?

 意地悪で、女たらしで、口からうんこの匂いがするのに……)


『ミカ、あいつらになんもされてないか?』


『うん。……で、でも、あたし、一ノ瀬君の女じゃないから!』


『フッ。そんなわがまま言う口は、黙らせてやらなきゃな』


ぶちゅうっ! れろれろれろ。


(あっ! 一ノ瀬君のうんこ臭があたしの中に……)


な、なんじゃこりゃー!!!!!


「あっ、パイセン、それいいっしょ! 『一ノ瀬君の口臭は即死レベルだけど、大好き!』。次の巻でミカちゃん、一ノ瀬のアナル舐めるんすよ。犬みたいにベロっベロ」


みゆきが俺の読んでるマンガをのぞいて、ついでにネタバレしやがった。


「・・・・・・確認したいんだけど、しょ、少女マンガってさ、いわば女の願望なんだよね?」


「そーっすねー。男はイケメンで、主人公の女の子はちょっとおバカで可愛い! ってのは定番っすから」


「男はアグレッシブすぎないか? 突然キスしたらやばいだろ」


「女はなんだかんだ言って肉食系が好きなんすよねー」



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