「いいか？まず魔法っていうのは体内にある魔力を消費して使うものだ」

「魔力？」

「そうだ。当然魔力がなくなると魔法は使えない。でもいくら魔力があっても魔力をコントロールする力がないと高度な魔法は使えない」

　異世界人達から魔法についての知識を聞きながら、つくづく物語に出てくる魔法と同じようなものだと康生は思う。

「それで魔法を使うにはどうしたらいいの？」

　魔法についての知識はあらかた聞いた康生は、早速実践しようと異世界人達に尋ねる。

　しかし異世界人達は魔法の知識については教えてくれたが、魔法を使う事について聞くと顔を渋らせた。

　何か言いにくいことでもあるのだろうか？と康生が疑問に思っていると……。

「――別にどうするとかそういう感覚は俺たちにはない。ただ……なんというか、体を動かすのと同じように魔法を使っているから……」

　どうやら言いにくいことであっても、康生に話したくない事ではなかったようだ。

　要するに、異世界人達は魔法を使う事が当たり前過ぎているということだ。まさに物を取りたいから手を動かす。

　そしてそんな事の感覚など説明しようにも難しいということだ。

「で、でもだとしたら皆色んな魔法を使うことが出来るの？」

　ここまでの説明を聞いて康生が疑問を抱く。

　魔法を使うことが体を動かすことと同じということは、使える魔法は皆同じということになる。

「半分正解で、半分間違いだ」

「っていうと？」

「俺たちは基本的な魔法。五つの属性の魔法は少量から誰だって出来る。そして魔法を使う奴はそこから高度な魔法を生成しようとする。しかしお前はまだ、魔法を使いこなせないようだから、まずは五つの属性魔法が使えるかどうかを試すのがいいだろう」

「五つの属性魔法……」

　なるほど、それこそゲームなどでよく耳にする言葉だ。

　しかし実際問題、今まで康生は魔法が使えるなど思っていなかった。

　だから実際どのように魔法を放てばいいのか、どんな感じに魔力を操ればいいのか、全く分からずにいた。

「まぁ、指揮官が帰ってくるまで俺たちは暇なんだ。兄ちゃんの練習ぐらい付き合ってやるよ。あの時、俺たちを助けてくれた借りもあるしな」

「そうだなっ」

　そうして康生は翼の女達が帰って来るまでの間、異世界人達から魔法を使うことのレクチャーを受けたのであった。

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