第4話 今のようなパソコン

 今時のPC、というのはマウスを使ってクリックして画像をいじくる、そういう使い方をする。


 それ、最初からそうだったわけじゃない。


 その前ときたら、キーボードからアルファベットで命令を打ち込んだりプログラムを作ったりして使うのが常識であった。


 革新は、ゼロックスの「アルト」からはじまった。絵やアイコンをマウスでいじくって、というほうがはるかに人間にとっては楽な使い方だ。しかし、作ったゼロックスからは試作機ということで見向きもされなかった。


 その革新性に気づいたのは、スティーブ・ジョブズだけではない。日本人もすでに気づいていたし、日本電気はPC100というコンピュータを開発したりもしていた。しかし、商業性という面で「マッキントッシュ」は勝っていた。


 よく、ジョブズを天才扱いしたりする例もあるが、マックは彼の発想で生まれたわけではない。同じくではあるが、マイクロソフトのビル・ゲイツなんていうのはもう商売人だと思ったほうがいい。


 最初のマックは、非常に動きが遅くてとてもじゃないがビジネスに使えるようなシロモノではなかった。だが、レーザープリンターが発明されて、画面に書いたものがそのまま印刷できるようになってからは状況が変わった。そんなところである。


 で、一方のインテルである。これが非常に困った事態に追い込まれる。


 主力のメモリが日本メーカーの寡占状態になってしまい、儲からない。いくら頑張ろうが日本のメモリメーカーは次々に安くて信頼性の高いメモリを生産し始めた。おかげでインテルは屋台骨が傾きはじめた。せっかくモトローラから主力CPUの座を奪ったのにこれは由々しき事態である。





 

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