第37話 夏の夕暮れ

扇風機のモーター音が畳にまで響いていた。開け放した窓からの風でレースカーテンが膨らんだ。もう日が暮れた。公園の納涼祭のざわめきが風に乗って聞こえてきた。提灯や人波の景色が鮮やかに浮かんだ。家族が帰ったらスイカを切る。台所の桶にぷかぷかと浮いている。煮物も煮えて、いい匂いが漂った。

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