第5話 桃色プラットホーム

もうじき夕暮れになるところでした。真夏の水田には桃色の光がいっぱいに落ちて、高く育った稲の海を染めています。小さな駅も、淡い影を伸ばしていました。名もなき人たちが長いプラットホームで言葉もなく電車の来るのを待っていました。みんなガラスのようになって、同じ色の影を伸ばしていました。

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