シックスナイト♥
鷹山トシキ
第1話 はじまりはじまり!
鳥村阿修羅(人魚)、鳥崎以蔵(剣)、鳥越右衛門(泥棒)、鳥居エリカ(ハニー)、鳥山修(拳銃)、鳥海一馬(バイク・ロボ)の6人は様々な時代を旅する。3人以上倒すと死んでしまう宿命を背負っている。殺すたび使える魔法が弱くなる。雑賀孫市に仕えた六鳥士の末裔。
鳥村阿修羅は渡良瀬遊水地にやって来た。群馬、栃木、埼玉、茨城の県境にあり様々な動植物が生息している。鮫が棲んでるって噂もある。遊水地の南端には♡みたいな形の湖、谷中湖がある。この湖底には村が沈められている。ここには明治時代まで谷中村って村があった。阿修羅は深夜に人魚に変身できる。人魚になって湖底を目指した。
栃木県では『さがんぼ』や『モロ』と呼ばれる白身魚が食べられる。竜田揚げや煮つけが一般的だ。さがんぼはアブラツノザメ、モロはネズミザメだ。
海なし県だからこそ鮫を宝としてあやかったのだ。
那須岳の西側斜面に三斗小屋温泉がある。温泉に行くまでには那須ロープウェイで山頂駅に行き、そこから最短でも2時間の登山ルートを歩かないといけない。舗装なんかされてないし?ヤバい動物が出るかも知れない。宿には水や電気が通ってない。湧き水と自家発電だ。鳥崎以蔵はため息をついた。
鳥海一馬は栃木県の北部をバイクで走っていた。『那須野が原に国会を!』って看板を見つけた。こんな辺鄙なとこに無理だろ?
1990年代、日本は首都機能移転論で盛り上がっていた。立法・行政・司法を地方に移転するってプランだ。那須野が原は地震に強いという理由から選ばれた。他に宮城、福島、茨城、岐阜、愛知、三重、畿央地域なども候補に上がった。
サンサンタワーという、東京タワーの333メートルにあやかり、33・3メートルの展望台を那須塩原市に建てて、国や関係自治体からの高官をもてなした。5階の展望室からは那須野が原が一望できる。が、財政難や東京都がこれを反対して、2005年以降は国会は開かれなくなった。
が、2011年の東日本大震災で那須が地震に強いことを改めて証明した。
那須野が原には様々な昆虫がいた。
立ち枯れた朽木にミヤマクワガタを見つけたときは一馬は童心に返った。キバネツノトンボは蝶々とトンボを合体させたような虫で、触覚がある。また、ゼフィルスというミドリシジミ類もいた。貝ではなく蝶々だ。
オオムラサキも飛んでいた。
宇都宮は雷都として有名だ。栃木県民は雷様と呼ぶ。ライサマ。雷電神社や雷神社がやたら多い。
八幡山公園には宇都宮タワーってのがあり、ゴーカート、ロングローラー滑り台、タンチョウやアライグマのいる動物庁舎がある。この地下には旧日本軍の総司令部跡が残されてある。2000年に発覚した。
鳥越右衛門は世界的な大泥棒だ。
徳川埋蔵金の伝説が残る、神橋付近や明智平(明智光秀が転生して誕生した天海の伝説も残る)、群馬の赤城山、結城市、小山市の中久喜、日光市(旧足尾町)の庚申山などをくまなく探したが収穫はゼロだった。
鳥居エリカは医者の卵だ。研修所は東武宇都宮駅近くにある。セントラルドグマという分子生物学の基礎原則が提唱された。DNAの遺伝情報がコードされている部分を『エクソン』、情報がコードされていない部分を『イントロン』という。DNAから写し取った遺伝情報の中から、不要な部分イントロンを除去して成熟したmRNAにする。この分子的作業をスプライシングという。
名門私立病院である、北見病院の院長で内科臨床医の北見国行が胃がんで1年間近く、那須野が原の別荘に引っ込んでいた間に、病院経営は破綻の危機に瀕していた。一人息子恵一は医者の免状をもちながら医者を好まず、ゲーム作家で妻の小雪と宇都宮の邸宅に住み、ゴルフやカジノの贅沢三昧、一家は火の車である。国行は、病院の再建をかけて、以前学資を出してやり日光の精神病院院長になっている若き実業家、佐伯翔馬を呼び寄せて、病院経営と一家の立て直しの全てを託す。
佐伯は国行にたいする恩義と、男として意気に感じて引き受ける。緻密な計画を立てておこなわれる突然の大胆な病院改革に、反発する医師たちと、派閥同士の対立でなかなか進まない改革。極度の緊縮に北見夫婦との、心のすれ違い。佐伯は、アラサーヘルパーの須藤聖子を利用して、内通させ、複雑に入り組んだ病院の内情を把握しようと試みる。身寄りも無い聖子は佐伯に淡い恋心を抱くが、一方の佐伯は、鳥居エリカに思慕の情を寄せていた。
エリカと聖子とは中学校時代、『ミステリー部』で一緒だった。
相馬連合の幹部、鳥山修は巽組とのトラブルに巻き込まれ、幹部たちに追われていた、女子高生の千葉月子を助けてしまう。
その結果、巽組の組長、巽輝之が部下達を引き連れて修にケジメをつけるために連れ戻しに相馬連合の本拠地・東武宇都宮に攻め込んでくる事態に発展。
巽組と揉めることにより相馬連合の均衡が崩れることを何よりも恐れこれ以上の揉め事を良しとしない相馬連合の会長・相馬俊之を始めとするメンバーたちは巽組を拒絶。だが、若頭の長門仁王は苦しむ修をどうしても見捨てることが出来ず、道を踏み外し蜂の巣になったかつての部下・沼津と重ね、自分だけでも何とかして助けようと試みる。
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