機動家屋『ガニメデ』

張果仙人

第1話 機動『家屋』ガニメデ

 地面に振り下ろされる太く長い8っつの脚爪、頭部には4対の目、連なる胴体は堅牢で、背後に腹部に見えるモノが在るが要塞じみている、其は巨大な『蜘蛛』を模した造形、此が機動家屋『ガニメデ』である。

 胴体の上に居住区である家が鎮座し、小さな庭と畑が存在するが居住性は良く、移動中周囲を脚で粉砕するが胴体及び家屋に伝わる振動はほぼ無い、機動地は地上であれば余程の勾配でも踏破し何故か水上も“水中”も移動する、必要なエネルギーもこの世界に存在する“魔石”を保有する害獣を狩れば問題は無い(因みにガニメデが全自動で狩りをする)。

 問題点がほとんど存在しないと思われる『ガニメデ』であるが弱点と言うか問題が2つ有る。

 一つ目は、人が住む上で必要な“塩”此は海に行けばガニメデの機能で“幾らでも”造れるし貴金属類も“濾して”収得可能だ、なので欲深いモノ達に狙われている。

 2つ目は、1日に2~3時間程度留まる事が出来るが、基本的に移動し続けて居ないと残留エネルギーが暴走する、元は機動“殲滅”兵器なので余剰分のエネルギーは砲弾精製工場に使われる(ちょくちょく無駄打ちしてるけど直ぐ貯まる)貯蔵砲弾が満杯になり、エネルギーが暴走するとどうなるか?其は周囲1㎞を更地に変えるはた迷惑な行動をするのである、更に環境保全の為か更地にした所と移動後の破砕跡は急激に植物が繁茂し樹木で埋る。

 此はそんな機動家屋『ガニメデ』と男の物語

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