バリ記
本木周一
はじめに
はじめに
株式会社カーネル出版を休業にしてぼくはバリ島で新しい事業を始めた。事業と言っても自分で開発したバリ音楽のCD土産物としてのマグネットを作ってホテルのドラッグストアや土産物店で売ってもらうというスタイルから始まったものだ。この日記は一九九九年の十月から始まっているが、事業としては一九九八年から始まり、事業は順調に発展していった。バリ・ブックツリー(BBT)という名称で会社にし、イダとオカが社員で入り、そのうち、経理でイダ・アユ、建築士・デザイナーのコンピャンが社員となって一応会社は整った。
彼らの力を借りて、雑貨店や、エステサロン、レストランと事業を拡大していった。
ところが思わぬ想定外の事件が起こった。
イスラム原理主義者たちによるバリ島爆弾テロ事件である。二〇〇二年十月十二日。
その事件への対応にも自分の迂闊さが見える。インドネシア政府に賠償の抗議のひとつでも日本領事館を通して言うべきだったのだ。
ぼくの計画は半ばでとん挫することになった。
さらに二〇〇五年十月一日に、クタとジンバランでまた爆弾テロが起きた。
ぼくはこれまでの事業をあきらめざるをえなくなり、また大きく人生の舵を切った。
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