大賢者の趣味は…… 黒銘菓短編集83弾

黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)

趣味

「ふえっへっへっへっへっへっへたまらんの」


しおしおな干からびたおっさんが本を熱心に読んでいた。


これ以上無く熱心に読んでいた。




彼は賢者ラーヴァ。


魔導を悟った最高位の魔術師と呼ばれる男だった。










「このラインの感じ、ええのぉ、儂大好き。」


視線の先にあるのは分厚い本。


重厚な革の表紙に虹色に煌めく印字。


年季は古く、とても高価そうに見えた。


かなり貴重で高難易度か、そうでなければ解読不能の魔術書なのだろう。


「フェッヘッヘッヘッヘ。この太もも。ええのぉ。」










ガッカリしてくれ。


この男が読んでいたのはアレな本だ。

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