君らしくて

勝利だギューちゃん

第1話

「元気?」

「元気に見えるか?」

「冴えない顔してるね」

「生まれつきだ」

「子供の頃は、かわいかったよ」

「お互い様だ」


憎まれ口を叩き会う幼なじみの、女の子。

隣に住んでいる。

ありがちな展開。


でも、朝上がりこんできて、

「おーきろ!」

起こしに来る事は、あるはずもなく、こうして時折喧嘩をしている。


まあ、高校生ともなると、互いの生活で忙しくなる。

そう忙しく・・・


現代人は忙しい。

日々の生活で・・・


心を亡くしている人が多いが、それが必然なのかもしれない。


「何、たそがれてるの?」

「いや、ただの妄言だ」

「余計に悪いよ」

「だまれ」


こうして文句を言っても、温かく受け止めてくれる。

ありがたい存在かもしれない。


「で、今日はどうした?彼氏との報告か?」

「嫌味?」

「仕返しだ」

「根深いね」

「お互い様だ」


似た者同士は惹かれあう。

類は友を呼ぶではないが、そのほうが安心するのかもしれない。


「ねえ、今日暇?」

「用事があったら、家にいない」

「じゃあ、出かけようか?」

「どこへだ?デートの誘いか?」


彼女はニコニコしている。


「わかった。付き合うよ」

「そうこなくっちゃ、じゃあ行こう」

彼女は即すが・・・


「デートは待ち合わせをして、行くものだ」

「それもそうだね。じゃあ。30分後に駅前で」

「了解」

「でも、どうして?」

彼女の問いに応えた。


「『ごめん。待った?。』『今、来たとこ』

それが、理想だ。」

「ベタだね。今時・・・」


そのあとの、彼女の言葉は耳に届かなかった。


(まあ、君らしくて、好きだけどね)

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君らしくて 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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