♮282:労苦ですけど(あるいは、絡め取り/メルカトリック/ビープ)
押せ押せの雰囲気かと思っていたけれど、コトはそう単純じゃあ無さそうだった。敵方の騎馬数を順調に減らしていった我が方……でもそれは向こうにとっちゃあ、それは想定の範囲内みたいな空気を感じている……
「……」
何より若草さんの様子がおかしい。自分だけがDEPを放てるという圧倒的有利な状況下での硬直……もちろん
ならばどうする?
……行くしかないはずだ。後方でずるずるやってる場合じゃないよ。
僕の意向を敏感に察知してくれたのか、僕の下で騎馬を形成してくれている丸男―サエさん―翼の組み合ったところがぎゅっと収縮したように感じた。とにかく前線へ出て、若草さんの騎馬を護らないとだ。
しかし、だった。
ふんぬッ、というような気合いの鼻息が戦場に響き渡る……と同時に、僕の目の前を大きな筋肉の塊がそれにそぐわないと思わせるほどの素早さで通り過ぎ、若草さん騎の前方へとぐるり廻り込んだのが見て取れた。
よって尋常じゃない
完全にまた後方の傍観者へと委縮しつつ立ち戻っていく僕だけれど、これぞ戦略、と己を納得させつつ、それでもじりじりと、左隣のどでかい軍帽のようなものを被った金髪美麗少女……「
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