♮148:改革ですけど(あるいは、鯖の/サバい/バーチャル)
<『
簡単に言うた!! ひと昔前のギャル風なノリで!! ……平々凡々がウリと思われていた本棋戦の実況少女(名前も知らない)が、初めてその牙を剥いた……っ!?
いや、つっこむところ そこじゃない 本質そこじゃない……
……唄っている場合でも無かった。「サバゲー」ってあの、ミリタリちっくな格好をして小銃的モデルガンを撃ち合う「サバイバルゲーム」のこと……だよね? いや、そうなのだろうけど、土俵際で平気でうっちゃってくるのがここの運営のやり方だから。「鯖の塩焼きゲー」である可能性はまだ70%くらいは残っているはずだ。
<こちらの半径1kmのVR空間で!! 潜み待ち伏せ不意をつき……対局者同士、生き残りを賭けて撃ち合っていただきます……DEPを変換した『銃弾』を!!>
ほう。そう来たか……またDEPを何かに換算して、それで何かをやらせる形式だな……運営……ネタが尽きてきてる気がするのは僕だけぞ?
<ただし!! DEPを放った瞬間、その者を中心とした半径100mに、その存在が告知されます……『評点』を得た対局者の情報が、瞬時にその周囲に知れ渡ると、そういう感じです>
どういう感じなんだろう……そしてそれがどう働くというのだろう……?
<失格となるのは、頭部前面、額の中心の一点を、『DEP弾』によって貫かれた時のみ>
実況少女の声と共に、大型ディスプレイには、フレームだけで描かれた兵士然とした恰好をした人物の図がフレームインしてくる。そのヘルメットを被った前頭葉辺りのところがズームアップされると、ごくごく小さな点が、額の中央あたりで点滅を始めるのだけれど。
この一点を狙わなければダメ? いや、針に糸レベルの難しさと見受けられるのだが。そしてまた「ダメ」の本質は何だって話になりそうなんだけれど。自問するのはやめておこう。
<ただし、両手両脚に『弾』を喰らったならばその部分が、胴体および、先の『一点』を除いた頭部に喰らえば全身が、身に着けた特殊スーツが固着することで動かす事が困難となる。移動や動作もままならなくなること、請け合いである>
だんだんとこの実況少女の言葉も定まらなくなってきたな。とは言え、体にその「弾」を喰らうことは避けなければいけないことだということは理解できた。
ジリ貧になるだろうからだ。
と同時に、横目でちらちらと残った対局者たちの様子を伺う僕。皆、先ほどの「搭乗機」から降りてホールに据えられていた椅子に座ったりして割とくつろいだ様子だ。余裕……? であるのならば、こいつらのほとんどが運営の手の者である確率は甚だ高いと見て間違いはない。
「
どうする……? 自問はしてみるものの、自分の中では割と肚は決まっていた。
「共闘」……勝ち抜くにはおそらくそれしか無い。
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