真冬の帰り道

白い息が ふわふわ

暗い冬の帰り道に

生まれてはとけて

生まれてはとける

シンと静まり返る町の小路に

足音が響き渡る


寒さに 真っ赤に染まる頬

深く 鼻の辺りまで

マフラーを持ち上げて

空気も凍るような 真冬の帰り道


帰ったら、暗い部屋に

ただいま、と言おう

電気をつけて、こたつをつけて

お風呂を入れてあたたまるんだ

そのうち のっそりと家猫が 出迎えてくれるはず


なんでもない日々

いつも通りの日々


たとえば 星がよく見えるだとか

たとえば おでんが美味しいだとか

たとえば つないだ手が温かかったとか


そんな小さな出来事に幸せを見出すこと


それが出来ることが嬉しいのだということ


こんな毎日がずっとずっと続くように

リズミカルに靴を鳴らして




ただいま

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