主人公は巽さん

ブランコに乗った男の人がいつの間にか私達の傍にいた。

「別に、悪魔に名乗る名前なんて無いさ。」

「ほぅ…死ネ!!」

悪魔の手から火の玉が現れてブランコの男に迫る。



キーキーキー



ブランコから降りる気配がない。



ジジュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!



火の玉が爆ぜる。

辺り一帯が白い靄に覆われる。 私は腰を抜かしてしまった。



「グゥエ…お前、何だ?」

悪魔の声から笑みが消えた。



「別に、ただのブランコ乗りだけど?」

「グゥエ。フ。

ただのブランコ乗りは悪魔の火を消せやしねえ。

お前、何者だっ!?」


悪魔がブランコに突撃する。

手から刀の様な爪を生やし、ブランコごと男を切り裂………けなかった。

「ゴバァッ!!」

悪魔が吹き飛んで森の木々を薙ぎ倒す。

男は悪魔に向けて小指を突き出しただけ。


「大丈夫かぃ?お嬢さん。」


ブランコを降りた男はこちらに向けて歩んできた…が。




「グゥエフィアハ!動くんじゃねぇ!」

私の後ろから悪魔が現れた。

首には爪が突き立てられている。


「助けたきゃ大人しくやられな!グゥエフハハハ!!」

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