可愛くあること
観月
・
可愛いの間口は狭い。
私は美しくはなれないだろう。
私の思う美しさは、一人で完結した、どこまでも冷たい人間だ。
好きになるのも、嫌いになるのも一人でできて、心も身体も一人でどこまでも遠くへ行けるような、そんな人。
分かち合うとか、理解を求めるとか、そんなものを必要としない、静かな孤独を愛せる人。
きっと私はそんな人にはなれない。そんな人の真似をするだけで、本当は孤独であることを受け入れられない。
それならせめて可愛くありたいと願ったところで、可愛いの間口は狭い。
可愛さは鼻につくし、後味が口に残る。
だから、残り香は控え目でなければいけないし、品のある味でなければいけない。
可愛さってそういうものだ。
天真爛漫だけど空気が読める。
甘えただけど依存しない。
どこか抜けているけど抜け目ない。
感情を伝えるなら、どこまでも理性的に可愛さを図らなければいけない。
そうでなければ誰も愛ではしない。
誰も可愛いとは言わない。
珈琲をゆっくりドリップするみたいに雑味を取り除いたものでなければいけない。
他者からの視点を
可愛くあること 観月 @miduki0403
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