第11話 液晶画面の向こうは太っている人ばかり

世界の街歩き、みたいな番組を観ると、いつもそう。

とても、初対面とは思えない親密さで歩道で佇む外国人は日本人のインタビューアーに話し掛けて、

街で採れた果物なんかをその場で包丁で切って振舞って、

やってば、自分の家に迎え入れて家族を紹介して、

さらに、お茶や自家製のお菓子やなんかを振舞うんだ。


そして、そういう人たちは大概、太っている。



メジャーリーグの試合をテレビで観ていると、いつもそう。

日本みたいに鳴り物の応援はしていないし、メガホンなんか叩いていない。

その代わりに、赤や青の濃い色素のペットボトル飲料を飲んで、

1個2000円以上する大きなホットドックや、

雑巾を洗えるほどの大きな器に入ったポップコーンを頬張っている。


そして、そういう人たちは大概、太っている。



俺なんか、BMIが25を少し超えただけなのに、

職場と提携しているなんちゃら組織の健康指導を受けろと言われるんだよ。

断ってるけどね。

もしも、断らなかったら、3カ月間、毎日、体重を測って記録して、1カ月に一度、病院に行かなきゃなの。

だから、断ってるんだけど、でも、無視はダメなの。

健康指導を受けない理由をちゃんと申請用紙に書いてFAXしなきゃダメなんだよ。


推定BMIが30も40もありそうな液晶画面の向こう側の外国人さんは、そういうの無いの?

あっても、もしかして、無視してるの?


液晶画面の向こう側の太っている方々、BMI25少し超えの俺が、ドックの医者になんて言われたか教えてあげるよ。



「あなた、栄養の摂り過ぎなんですよ」



笑えるでしょ。



俺も笑えるんだけど、たぶん、笑いの質は違うんだろうな~




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