人はもう、いらない。

白月 クル

第1話人がいなくなる世界

人は、時に……楽さを求めて、何かに頼ろうとすることがある。

だが、頼りすぎるのもいけないのかもしれない……


恵理子 「HAPPY NEW YEAR〜夏穂。」

(ん、誰だろう)

夏帆がリビングに降りた。

夏帆 「あ、HAPPY NEW YEAR〜恵理子〜。これで2150年だね。」

恵理子 「そうだね〜夏帆。そういえばいつから学校だっけ?」

夏帆 「あれ?恵理子忘れたの?あんなに言われてたのに。1月20日からだよ。」

恵理子 「り!」

通話がきれた。

夏帆「ふ〜。ほんと恵理子は忘れっぽいなぁ〜デボルおいで〜。」

デボル(イス型ロボット)「ハイ。カホ様。」

夏帆「というか、り!っとか古いなぁ〜wお父さんの時代のじゃん。久しぶりに聞いたw」

デボル(イス型ロボット)に乗る。

ピッピっ

デボル(イス型ロボット)「設定完了。カホ様のお部屋までお送りします。」

夏帆「はいよ。」

(はーほんと便利になったんだね。お父さんの時代は仕事はみんな人間がしてたのに、私が子供頃にはもう、ほとんど仕事残ってなかったし。すごいな〜)

夏帆はイス型ロボットから降り、自分の部屋に入った。

その瞬間、外で大きな音がし、世界は変わり果ててしまった。

夏帆「え?なんの音。壁にヒビが入ってる……クリス何があったか教えて。」

クリス(執事AI)「はい。近くの、AI製造所で、AIが反乱を起こしたそうです。」

夏帆「それって……人間はどうなるの…」

ブルブルと震える夏帆

クリス(執事AI)「それは……あなたのようになります。……さよなら、我が主。」

夏帆「いや、いや〜!!」

ゴトッ、夏帆の首が落ちた。

クリスに首を掴まれ、切り落とされてしまったのだ。

その頃恵理子は、

恵理子「……大丈夫…このなら…AIには分からないはず。……夏帆はどうかな。大丈夫なのかな。」

震える恵理子。外からはガシャッガシャッという足音がする。AIだ。

恵理子「AIは多分、ゴミ処理ロボの仲間では見ないはず……いや、見ないで…お願い。」

ガシャ…ガシャ……

音は遠のいて行き、やがて聞こえなくなった。

恵理子「は〜、良かった。でも、これからどうしよう。」

???「君…人間……だよ…ね。」

恵理子「え、そんなまさか、AIが!!いや!!!」

???「おい。大きな声を出すな。AIにバレたらどうする。私は人間だよ。火霧 智っていう者だよ。大丈夫。安心して。」

恵理子「良かった……びっくりした、は〜。」

智「これから、どうするか、困ってるんでしょ。僕、いい場所知ってるからおいで。AIはしばらく来ないだろう場所が。ほら、今のうちだ。」

恵理子の手を掴み、ゴミ処理ロボの中からでようとする。

恵理子「え、待って。どうに行くの?」

智「悟梨という女の家だ。山の中のにある。そして、その女は何かを悟る事が出来る。恐らく、AIの動きも悟れるだろうから。ほら、早くしな、嬢ちゃん。」

恵理子「信じるよ。」

智「ああ。任せろ。」

2人は手を繋ぎ、音をたてぬように走り、山の奥へ向かった。

恵理子「はァ、はぁ、まだ、おじさん。」

智「もう少しだ。頑張れ。後、おじさんはまだ早いぞ、僕は25だぞ。」

タッタッタッタッ

恵理子「はぁ、はぁ、疲れた。」

智「はぁ、悟梨いるか〜。」

???「シャラップ!静かにして、早くお入り!」

恵理子「ッ、ちょっと…」

智「おい、……」

2人は手を掴まれ、強引に中に入れられた。

悟梨「智、この子は誰じゃ。」

智「外でAIが反乱したんだ。知ってるだろう。そこで一緒に逃げてきたんだ。」

悟梨「ここは安全ではないぞ。もうすぐ、AIが来る。もう既に、山の中にいる。話は後だ1つ山を超えるぞ。」

悟梨は2人に荷物を少しとさ持たせ、さっさと山の中を走り出した。

悟梨「早くしな。殺されたいかい!」

2人は無言で悟梨の言うとうりにした。

そして、数時間後、もう、既に夜が深けていた。

悟梨「ここじゃ。ハァハァ、疲れたのう。」

恵理子「はぁ、ここは…なんですか?」

智「……これは…」

3人の前には、大きな大きな巨木があった。

悟梨「ここを登ろう。上に入れば安全じゃ。」

恵理子「……落ちたら危なくないですか?」

智「大丈夫、悟梨は落ちない未来を見てんだろうよ。あがろう。」

3人は上へ上へと黙々としながら上がっていった。

悟梨「ついたぞ。ここならしばらく暮らせるだろう。よし、荷物を置いて、生活の出来る空間を作るぞ。」

恵理子と智は荷物を置き、生活の出来る最低限の場所を確保した。

悟梨「よし、あとは君ら何故、喋れないのじゃ。」

恵理子「いや、少しびっくりしちゃってて……」

智「俺もそうだ。お前はすごいな悟梨。」

悟梨「そりゃ、持って産まれたもんがあるからね。とりあえず、私は少し外を見回してくるよ。」

その時外では……

???「おい、これ以上はチャンスはないからな。あそこになんでも一瞬でわかってしまう。奴がいる。そして、そいつの中にあるコアをこわさないともう、二度と勝つことは出来ない。今しかない。隙をつけ。」

??「了解!!」

悟梨がツタをつたって下に降りた、その瞬間、悟梨は周りにいた何者かに銃撃を受けた。

悟梨「……痛いねぇ〜。…でも、まだまだ弱いよ。」

???「今だ、ミサイルを撃て、今しかコアは見えない!!!」

悟梨「ッ!!」

次の瞬間、空から、ミサイルが降ってきた。

そして、それは悟梨に直撃した。悟梨はバラバラになり死んでしまった。

そして、上から2人の死体が降ってきた。

軍曹「やっと、人間はAIに勝利した。やっとだ。やっと。」

兵士「そうですね。軍曹。やっと。2050年からずっとこの時を待っていました。人間の自由を取り戻しました。」

悟梨頭の周りには、バラバラになった、鉄くずが落ちていた。


人間は、楽な方へ逃げてしまったがために。AIの支配下にいたのだ。お人形と言われて使われたり。ロボットと言われ続けて、100年。人間は自由を取り戻した。2019年。AIなどの事に力をいれているが。本当に仕事をAIに任せっきりでいいのだろうか。……もし、AIに負けたら、この世界はどうなるのでしょう。それは、誰にも…わからない事です。

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人はもう、いらない。 白月 クル @siratukikuru

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