ハロウィンから始まる第七魔王の異世界革命

狼煙(アズ)

第1話 ハロウィンの夜

 「おーい!達哉ッ!」


 俺は秋昏あきぐれ達哉たつや。ただの普通の平均的な高校二年生男子だ。


「今行くよー」


 親友に呼ばれ、電車へ乗り込む。中は仮想した人たちで一杯だった。ゾンビの仮装や蝙蝠コウモリの仮装などをした人などが居て、少々暑苦しく感じた。

 電車の扉は締まり、発進する。親友と話していると他の人とも仲良くなれたのだが――。


「――ッ!」


 腹部に物凄い痛みが襲う、下を向けば先程まで仲良く話していた人だった。腹部にはナイフが深々と刺さっている。床に倒れこみ、激痛を何とか耐えようとしたが、もう遅かった。



 目を開けると、痛みは全くなかった。どちらかと言うと体が存在しなかったに近いだろう。


「お目覚めかしら?」


 このパターンは明らかに転生系アニメの流れだった。目の前に光が集まり、人の形どる。金髪の少女のようだ。


「私は女神アクレシア。貴方を導く者です」

「唐突で悪いが、アクレシア様。俺を導くんだったらカボチャサイズの胸にしてくれませんか?まな板の貧乳野郎に何か転生させてほしくないのですが」


 彼女の胸は男ですか並みに小さく、泣きたくなるような大きさだった。


「うっさいわねこの変態居乳ずきがぁ!あんたなんか呼ばなけりゃ良かったわ!」

「お前は本当に女神か?」

「おっと、上品に上品に…。こほん。さて、あなたは転生特典で何か一つプレゼントしましょう」

「巨乳で金髪碧眼のメイドで。戦闘できる奴で絶対裏切らないやつね」


 さっと答えて「早くしろ」とせかす。


「あぁ~もぅ!どうなっても知らないからね!」

「お好きにどうぞ」

「迷える命よ!異世界での幸運を祈る!」


 俺の体は光となり、消滅した。

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