悪魔使いオジサンと私

鬼丸シュウ

第一章 ノーシア王国編

第1話 プロローグ



_____兄上、血が……お怪我をしているの?皇帝を殺した。……も死んだ。私も死ぬ。


愛しい人よ。もう何もかも忘れていい。私のことも、国のことも。ただ人として、自由に生きるのだ。ただの女として、幸せになるのだ。あきらめてはならない。


兄上?


心臓の封印を解いてはならない。……を使ってはならぬ。もう二度と……をまとってはならぬ。

彼らの網にかかって、連れ戻されるなら死を選ぶ方がまだましだ。

……に帰ってはならない。

必ず生きるのだ、生きて人を愛してくれ。

さぁ、もう行きなさい。愛しているよ。

……_____


***


教会の部屋で目が覚めた。


最後のお言葉。

忘れたほうがいい。

兄上もそれをお望みだった。


朝の身支度をして、孤児院の子供たちの世話をする。

それから私はいつも通り秘薬店にバイトにでかけた。


いつも通りの一日だと思っていた。

史上最悪の魔法騎士に出会うとも知らずに。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る