遅すぎた夏
子供っぽい遊びをしてみる。
あなたとふたり。
昔こんなことしたでしょう?
シャボン玉飛ばしたり、
泥でお団子作ったり、
縄跳びの速さを競ったり、
手や腕だけで表現して遊んだり、
昔はだれと、さいごはいつ、
遊んだんだったかな、このあそび。
変わった町並み、空を彩る花火もなし。
夕涼みなんて、涼しくないし。
大人になって、大切な何かを失ってから、あなたと迎えた夏。
駄菓子片手に、
何かも知らないちかくの会社の駐車場で、
蚊に食われながら、
わくわくして夜空を見上げていたんだよ。
遠くに打ちあがる花火。
小さいのに、小さいのに。
いつか、大切な人ができたら同じことしようって思ってた少女時代。
だけど、なにもかもが変わってしまったよ。
遅すぎた、この町での夏。
私が見せたかったものは儚く消え失せた。
そんなこの町の、曇った夜空を、
あなたと手をつないで見上げてる。
あしたは、
もっといい日になりますか。
たとえ、想い出が消えてしまっても。
未来をみることが、まだ、こわい。
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