第6話
準決勝第1試合、我が鎌大附属はノーシードから勝ち上がった県立
鎌大附属の先発・小坂さんは初回に2点を失うが以降は立ち直り、結局5回2失点。6回からは中井さんが登板し、2回を1人のランナーも出さない完璧なピッチングで締めた。打線の方も、1回裏に5番・高橋さんの3ランで先制すると、着実に得点を重ねた。葛西先輩は3回裏に2ランホームランを放ったし、筒井先輩もホームランこそ出なかったものの、全打席でヒットを放った。
続く第2試合は、東西大相模原高校対南横浜高校。選手は試合後、すぐに野球部専用のバスで学校に戻ったが、あたしたちマネージャー陣は球場に残り試合の偵察をする。しかし、神奈川を代表する名門校同士の対決だけあってほぼ満員だ。外野席までしっかり埋まっている。
試合の方は、東西大相模原の背番号10・3年生右腕の
10回表、東西大相模原はこの回から登板した南横浜の背番号10・3年生右腕の松岡さんを攻め立て、2アウトながら満塁とする。ここで打席に立つのは、ここまで無失点に抑えた稲岡さんの代打である背番号20の1年生・
水口くんは足の速い左の内野手である。ちなみに中学時代は走攻守三拍子揃った大型ショートとして有名だったらしい。そして、フルカウントまで粘った水口くんは、打球をライト後方まで運び、走者一掃の3点タイムリースリーベースを決めた。
この後、東西大相模原はさらに1点を追加、4対0となり10回表の攻撃を終えた。そしてその裏、南横浜の攻撃をこの回からマウンドに上がった背番号11の2年生左腕・
◇ ◇ ◇
さすがに試合の後は疲労困憊なのか、多くの部員が寮の自室に戻っていた。その中で……筒井先輩はただ一人、グラウンドに向かい、バッティングマシンをセットし、速球や変化球を打つ練習をしていた。そしてあたしは、筒井先輩が放つバッティングマシンをひたすらセットする準備をし始めた。
「野口、来てくれたか。助かる」
「えへへ、たまにはあたしも有能なマネージャーになるでしょ」
「そうだな……」
筒井先輩はひたすらあたしがセットするバッティングマシンで、速球や変化球の練習をした。そして夕方になり、太陽もすっかり西に傾くと筒井先輩は練習を切り上げた。
「……そろそろ切り上げるか」
「そうですね」
「ところで、決勝の相手はどっちだ」
「相模です」
「そうか。あそこには去年の秋、負けた因縁があるからな。絶対に勝って、甲子園決めてやる」
「そうだったんですか……」
筒井先輩は真顔であたしにこう言った。そして、
「じゃあせーんぱい、明日も勝ってあたしを甲子園に連れて行ってくださいね♡負けたらあたしが許しませんから♪」
あたしは、ちょっと小悪魔になった表情で、先輩にこう言った。先輩から、
「お前意外と面白いところがあるな。笑っちまったよ……ああ、絶対お前を甲子園に連れて行ってやるよ」
と言われたことを知らずに……ね。
◇ ◇ ◇
・
誕生日・・・6月13日
年齢・・・18歳(高校3年)
出身地・・・神奈川県
血液型・・・A型
身長・・・180cm
体重・・・77kg
・
誕生日・・・7月1日
年齢・・・18歳(高校3年)
出身地・・・東京都
血液型・・・O型
身長・・・185cm
体重・・・90kg
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