第5話 病棟で火災発生 ⁉︎
20時の寝る前の薬を飲んで、辺りが静まり返ったころ——、
突然、警報音が鳴り響いた。
「火事です、火事です! 3階で火災が発生しました。安全に注意して、速やかに避難して下さい」
この時間からして訓練ではない。女性患者さんたちは一斉に、部屋から飛び出した。
閉鎖病棟はどこもかしこも鍵がかけられている。逃げ遅れたら一大事だ。
看護師さんたちが消火器を持って、慌ただしく駆けつけてきた。
だが一向に煙らしきものは見えず、匂いもしない。
しばらくすると「安全が確認されました」とまた放送があった。
火災警報器の誤作動だったのか?
後で知ったのだが、誰かが火災報知機のスイッチを押したようだ。
いけないと分かっていながらも、押したい衝動を抑えきれなかったのだろう。
以前にもこういうことがあったのか?
そういえば、男性患者さんたちは誰も部屋から飛び出してこなかった。
果たして、次の日もまた警報音が鳴った。
スイッチを押した人はしばらくの間、鍵のかかった部屋に閉じ込められることとなった。
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