第22話 自生するマルンガイ

 二日に一度は近所の人が、野菜を取っていいかと聞いてくる。

 ウチに畑が有るわけでは無いのだが、フェンスの外側に自生している植物を取っていいかと聞いてくるのだ。

 勝手に取ればいいと毎回言うのだが、防犯カメラが有るので泥棒と言われたくないと言ってイチイチ声を掛けてくる。


 塀に沿って、オレガノとかマルンガイ等が勝手に伸びてくる。ウチでもマルンガイはよく食べている。

 日本では馴染みの無い「マルンガイ」だが、ネットで調べてみると栄養豊富なスーパー植物だ。

 日本でも通販で売られているのを発見した。乾燥させて茶色になったのを売っている。いい値段がする。


 ローカルの人は自然の物を良く知っている。食べられる植物や薬になる植物。山や林に行けば、いつの間にか何かを食べている。食べられる木の実が、何処の山にでも有るという。

 林から出てくる時には何かしら植物を抱えている。日本の山菜取りのようだ。

 初めて見る植物も結構あり不安になる。

「それ、食べられるのか?」

「カミサマ クレタモノ ダイジョブ」


まあ、いいか。死にはしないだろ。 


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