第16話こっちの水は甘いぞ
日本にいる古い友人から、ラインの無料電話が掛かってきた。
2年後に仕事を辞めて海外移住を計画していると言う。冬場に奥さんの神経痛が酷く、暖かい国に住みたいと言うことだった。
私の状況を聞くので、聞かれるがままに、ありのままを話した。良い面も悪い面もだ。
話をしている内に、どんどんと具体的になってくる。
日本の家を売ってパラワンに部屋を借りて住み、車を買って、スポーツクラブに入会して毎日泳いで・・・
思いきって頭に描いた通りにやってみるのもいいのだが、取り敢えずこっちに来てみて、数ヵ月を過ごしてみる事を勧めた。
日本が恋しくなった時に帰る所が無いのは辛いと思う。パラワンが肌に合わないとなったら大変だ。
プエルトプリンセサに住んでいる友達の一人は、年に4ヶ月程、主に冬の時期をこっちで過ごして、それ以外は日本で仕事を続けている。
彼は、ここのアパートを年間通して借りている。家賃が月に7000ペソのアパートなので年間でも84000ベソだ。年間、約20万円で何時でも来られる場所が確保出来、荷物も置いておける。
1DKの狭いアパートなので、夫婦では手狭かも知れないが試しに住んでみるのには十分。
よく、「あの場所は水が合わない」
などと言うが、水道水の事だけでなく、全部の状況を含めて「水」と著している訳だ。
海外に出ると「水」の味が全く違う。時に甘く、時に酸っぱくもあり苦くも感じる。無味無臭は殆んど無い。
平均して「水」の甘い場所が見つけられれば、快適な移住生活が送れるでしょう。
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