貧乏人の感謝



文章を書いていると不思議に落ち着く。 

心の中の汚いものや嫌なものを捨てて、静かに集中しないと書けないので、それがいいのだろう。


心の中の汚れや痛みを文章にして出すのもいいが、この場所ではちょっとできない。それを読んだ人の気持ちを考えなければならないから、不用意な事は書けないのだ。


日々生活していると、腹の立つことや嫌なこともあるが、嬉しい事、素敵な事もある。その少しの素敵な事を見逃さず、うまくそれを生活から切り取らなければ、なかなかエッセイは書けない。


あるいはテーマを決めて、過去の出来事の中からそれに関連した部分を抽出し、話をまとめる、というやり方もする。


しかし私の場合、どちらにせよ、金を求める気持ちがあるとダメである。

心の状態が変わり、突如不純物が入り込み、静かな集中が途切れて、作品は何か別のものになってしまう。

わたしのエッセイでは金は求めても得られないと初めから諦めているから、流行や受けることにとらわれずに、自分の世界を気楽に書けるとも言える。


妻は一文にもならない趣味に精を出す私を、温かく見守ってくれている。ウチは貧乏であるにもかかわらず、だ。


それを考えるとありがたいことである。


妻の静かな諦めがなければ私の趣味は成り立たない。


この場を借りて妻に感謝しよう。ちょっと照れくさいけど。


いつもありがとう。えへへ・・・

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