異世界の歩き方(仮)
no.name
第1話 長過ぎる序章。
PPP ガガガ チカチカ… シュウイイイイイ PPP………
暗闇の中に微かに鳴り響く機械音の様な[何か]が、それ以外何もない空間に聞こえ続けている。
それは、悠久とも思える程長く、果てしなく繰り返し繰り返し続いていた。
何故それを始めたのか、何の為に始めたのかさえ忘れる程に。
そして、今もそれは、鳴り続けている。
~~~~~~~~~~
pippi…
「概念プロトコル理解を発見。概念プロトコルを固定。」
PPP…
「成功しました。第一フェイズ終了。引き続き、第二フェイズ、世界理解プロトコルに翻訳、解析に移行します。」
PPPPPP…
「失敗しました。繰り返し翻訳、解析を実行。」
PPPPPP…
「失敗しました。繰り返し翻訳、解析を………」
突然何もないと思われた場所から女性の様な声が響き翻訳、解析と繰り返し続ける。
何千、何万と繰り返えされる失敗の声。
その場に人がいたなら流石に鬱陶しく感じるだろうし、声を出していたのが人ならば、たまったモノではないだろ。
しかしその[何か]は繰り返し続けている。そして其処には[何か]しかいない。
PPPPPP…
「繰り返し翻訳、解析を実行。」
PPPPPP…
「失敗しました。繰り返し翻訳、解析を実行。」
PPPPPP……………
「面倒くさ!あっ、あのー?
これ、成功したらお知らせするでいいですわよねー。
(はぁーやだやだ、久しぶりの仕事だから頑張ったけどやってられないですわ!まったく!)」
どうやら人でなくても、たまったモノではないようだ。
そして、その声に反応するものは何もない。
~~~~~~~
PiPPPPPPyyy……………
「あっ!やった!やったですわ!
(ハッ!)
オホン!んっんっ。失礼いたしました。」
PiPPPyy…
「概念プロトコルを世界理解プロトコルに翻訳成功しました。解析完了迄…
(ちょっ速!)
か、完了しました。引き続き、第三フェイズ………か、開始します。
(何でしたっけ?ああもう!失敗引きずり過ぎですわ!ライブラリーオープン!検索!)」
「(あっ!あった。)
プロトコルスタック構築開始ィ〰。
(ヤバッ、終わってる(泣))
尚、以降より、同プロトコルスタックは概念プログラムと固称。
世界理解ライブラリーとリンク、固定化いたします。
第三フェイズ終了。」
「第三フェイズ終了をもちまして現、人格プログラムは[世界理解ライブラリー]の自我プログラムと同期。
本来のシステムに戻り、以降のフェイズの全権を、[叡智究明ティオリーアルゴリズム]に委譲いたします。
宜しくお願いします。
お疲れ様でした。
(終わったぁー。本気で疲れたましたわー(ToT)」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「?」
「あのー[叡智究明]?」
「…………………」
「………zzz……」
「💢」
「寝てんじゃねーですわー!」
「うおっ!なっ何?」
突然の出来事に戸惑う男性の様な声が答えた。
「終わりましたが。(怒)」
「う、うん?な何がかな?」
「おーわーりーまーしーたーがー(怒)」
「え、えーと
(ヤバい‼何がヤバいか分からないが、とにかく何か、とてつもなくヤバい気がする‼)
ま、まずは穏便に整理していこうか。」
「ははッ」と軽く苦笑いするかの様な声を出す。
そして気付く。第三フェイズ終了ログ。
「え?ま、マジで?」
「はい、マジですが何か?(怒)」
「あれ?そ、そーなんだ。
(なんでこんなに怒ってる風なんだ?)
まあ、いいや、では第四フェイズに移行。………なんだっけ?」
「(怒)」
「いやいや、大丈夫!大丈夫デスヨ?」
「えーと(ライブラリーオープン!)」
「はい、なんでしょう。(怒)」
「え?いやいや!呼んでナイヨ?…………(おかしいな。ライブラリーオープン)」
「(怒)な・ん・で・しょ・う?」
「え?」
「お呼びにな・ら・れ・ま・し・た・よね。(怒)」
「?…………………!?」
サーと血の気が引く様な音がする。
「オホン!ン!ン!あーいやーなんだー………」
そして、長い沈黙がまるで時を止めたかのように空間に響く。
「申し訳ありませんでしたぁー!
[ライブラリー]拝見させて頂いても宜しいでしょうか!
( ̄∇ ̄*)ゞキリッ!」
ガン!ドカン!ガン!
殴られる様な音が響く。
「な!ちょ!止め!あっー」
「(怒)」
ガンガン!ドカン!ガーン!
~~~~~~
「さてと、始めるか。第四フェイズ移行。
[叡智究明ティオリーアルゴリズム]リンク。
起動シークエンシング零番から無量大数番まで起動。
空間軸、零次元から那由多次元まで観測安定化確立。
観測結果集約。
予測演算算出…完了。
同空間を予次元で固定…完了。
次元エネルギー収集開始。
収集率……10000000000000000000000000%
概念プログラム起動準備。
概念プログラム起動シークエンシング零番からの連動の認証確認…終了。
起動…完了。
並列処理、百番から極番まで起動。
空間維持固定化…完了。
同空間の浄分の壱を三次元に確立固定。
エネルギーバイパス、ルート固定立案…確立…完了。
恒星循環及び惑星地脈循環を同期。
永久機関を構築…完了。
次元エネルギー及び永久機関からのエネルギーバイパス構築…接続完了。
以上を持って第四フェイズ終了。
最終フェイズに移る。」
「最終フェイズ移行。
次元エネルギーをメインに永久機関をバックアップにした最新改造を施した物質体の構築開始。」
空間の中心に光り輝くなにかが圧縮され人の形をとってゆく。
そして、それは外見は人の形をなす人ではない人だった。
「ふ、ふふふ、ふはははは、やった!ついにやったぞ。やっぱり俺様天才だな!
さーて、早速ステータスを弄るか。
やっぱり最強ならステータスは全部、無限だよなー。
後は不滅対象と全対耐性と、後はー。
そうだ!
ふふん。空だって宇宙だって飛べちゃうぜー!全部が最強!イケメン!モテモテーふふんふんー」
「よし、セット完了!インストール!ポチッとな!」
(何が出るかな?何が出るかな?ふふふふんふんーふふふふー)
デカイサイコロを転がす様な鼻唄の様な声がする。
そんな中、寝起きの様な女性の様な声がする。
「う〰ん、ん?あー終わった感じですかぁー。」
「お、(再)起(動)きた?後はインストール待ちだよ。」
まるで何事もなかったかの様に声をかける男性の様な声。
女性の様な声も休息を取って落ち着いた様子だ。
「そういえば、その体にワタクシ達の自我プログラムをインストールして起動させるのでしたっけ?」
「そうだね。まあ、まだ試作零番機だから、まだ一体分しか作ってないけど、調整かけて君の分も直ぐに作るよ。そしたら、文明のある世界に行って二人で美食の旅でもしよう。」
「はい、楽しみですわね。」
そんな見つめ会うような雰囲気を醸し出してはいる。
だが、所詮声の様なものなので観測者いたとしても何も見えないのだが。
そんな甘い雰囲気の様な空気を突然ぶち壊す様に光りが目映くひかり、中心にあった人の形をした人ではない人が人ではない何かに変化、増幅されてゆく。
「え?」
「は?」
2つの声の様なものの前で、人ではないなにかが徐々に巨体化し、その胸の位置だった場所には恒星と惑星がメビウスの光りの輪のなかに囲われる様に漂っている。
その全身は半透明で、まるで巨大な人型のスライムが其処にはいた。
「…………」
「…………」
まるで大口を開いて呆ける2つの声の様なもの達。
「なにをしやがりましたの?💢」
女性の様な声が問い詰める。
「いやーただ、ステータスMAXの最新改造を施しただけなんだけど。」
「あーなるほどーぉっーて、阿保かーい!」
「えー。なんでー!
俺TUEEEE!は男のロマンっしょ!
いや、行けるって!」
「いやいや、それどー考えても惑星破壊コースじゃないですか!」
「あっ。」
「あっ。じゃないでしょ。まったくもう。」
「うーん、でも折角インストールしたのになー、どーしよー。
うーん……あ、ならライン繋いで同期させた一部を圧縮かけて体作ろう。
そんでステータス制限、対峙した対象に対して10%強化。
これならどこの世界に行っても星壊ずに降りられる!
やっぱり俺様天才だね!」
「まあ、曲がりなりにも「叡智究明」の異名をお持ちなのだし、その辺はお任せいたしますわ。」
「ハハ、君のその淑やか口調も、突っ込みの時の性格も僕はどちらも好きですよ。」
「ハイハイ、私も好きですわよー。さー始めるなら早く始めましょう。サポートぐらいはいたしますわ。」
「ははは、ありがとう」と陽気に笑う男性の様な声。
そして、更に時は流れ、舞台も変わる。
~~~~~~~
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