第353話 自信のないスコちゃん
昨日わたくしはスコちゃんに痛い目をみせてしまったのでスコちゃんとは距離ができちゃった。
と思っていたのは束の間で。
母のベッドに横たわって漫画を読んでいると足をちょいなちょいなとされます。
嫌われてなくって良かった。
でも抱っこしようとすると逃げる。
姫――;;
これはコミュニケーションしなくては。
思いついたのが心の会話テレパシー。
「なでていい?」
と見つめると彼女は「いいよ」「だめー」どちらか。
「だめー」だったらあきらめると決めているのだけれどもスコちゃんは少し複雑です。
「どうして愛してくれないの……?」
こんなことを言い始めます。
「スコちゃんの愛ってなあに」
「なでてくれること」
「だめーって言うから……なでてほしいの?」
「なでてほしい」
というやりとりがあったとき初めて触らせてもらえるのだった。
他にもね……部屋から出たそうにしてドアの前に座ってこちらを見ているから開けてやるんですね。
ドアの前にトコトコ歩いていくからそのまま廊下に出るのかなと思ってみているわけなんですけれども。
「どうして無視するの……?」
と、これまた寂しそうに振り返ってきます。
「え? 無視なんてしてないよー。どうしてほしいの?」
「ついてきてほしい」
というから後からついていくと家中てくてくコースが始まるのです。
禁断のお風呂場に着くとドア前でこちらを向いて中へ入りたそうにします。
「なにがしたいの?」
テレパシーをおくると。
「だっこしてほしい……」
おややっ? だっこですか!? よろこんで!
ということが延々くりかえされました。
だっこしたまま歩いてほしいとか、そうっとなでてほしいとかいう注文もありました。
ひさびさにリクエストに沿えたようで光栄です!
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