第267話 楽じゃない。

 スコちゃんは体内時計が、と言おうか腹時計がと言おうか、わりときっちりしている。

 赤ちゃん猫のときの餌時間をずーっと憶えているのだ。

 まいった;;


 相変わらず午前三時半には、小爪でちゃいちゃいして、それでも私が起きないと、かじりついてくる。

 私のごはんはー!? って。

 こちらは確実に睡眠を阻害される。


 で、ねむねむのまま朝を迎えて、トイレへなんか行ったりすると、餌を食べ終えたスコちゃんがさりげなさを装って入り口で待っていたりする。

 ぜんぜん、さりげなくなんかないからね!? 玄関からの光を浴び、廊下にじっと座って。

 私が通りがかるとついてくる。


 そっとそっとなでてやるけれど、この娘と付き合うのは楽じゃないなあと思う。

 まあ、楽をしたいわけじゃないのでいいのだけれど。

 おそらく、熟睡は諦めなくちゃいけないな……。


(2020/08/30/日)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る