第175話 2020/04/09/木 せくしぃーだいなまいっ

 今ちょっと、スコちゃんがドアの向こうで「んん……」って言って、入ってこないから見てきます。


 少しドアと引き戸のあたりをぐるぐる一緒に回って、玄関まで行ってきました。



『わたしのしたいこと、させて……』



 って態度で言うから、何がしたいのかなって。

 だって、わたくしスコちゃんの行動は一緒にいてさえ不明だもん。

 できればお話できたらなーって、テレパシーを送った。


 スコちゃん、お外に出たいって言い張る。

 どうしてだか教えてくれたら、考える、って言ったら。



『わたしのいない間に敷地に他の猫が入りこまないようにマーキングしたい』



 えらく、現実的な……。

 大丈夫よ、この家にはスコちゃんがいるんだから、だれもよってこないって。



『おかしいな。だれかが寄り付いた気配がしたんだけど……』



 ぎく! スコちゃんするどい。

 私は吐いた。

 それはね……。



「そういえば、家の前でおやつをこぼしたことがあって、それにつられてきたかもね」


『……』


「ごめんね、もうそんなことないようにするから」


『そうして』



 あの白猫は、スコちゃんにとって敵なんだそうだ。

 スコちゃんが、家の中でそわそわと落ち着かなくなるのを見越して、気配を残していったんだ。

 ごめんね。


 私の猫はスコちゃんだけだようー。

 昨日も、今日も、スコちゃんのデジ画を描いて、ツイッターとcocommuにUPしてたんでございますよぅー。

 らーぶらーぶなんでございまするー。


 と、ここまで書いたら、スコちゃんが廊下でお呼びなので(って言っても、『ん……』っていうだけなんだけれど、放っておけない感じがする!)ついて行ったら部屋の片隅で、ちんまり心細そうに座っている。

 私もなにがいけないのか、わからないなりに、彼女のお気に入りのトンネルボックスを移動させてみたり、机のしたのスペースを活かしてみたり!



『気に入ったわ』



 っていうから、リビングに行ってまたこれを書いてたんだけれども、こんどは、例のボールをコツーンと鳴らして、お遊びに誘ってくれる。

 これは、断れない!

 なにより、遠慮深いスコちゃんの、慎み深いお誘い。


 遊びましたよー。

 ボールを部屋の対角線上に放って、追いかけてもらったり。

 階段のしたにボールを放って追いかけてもらったり。


 そしていつもは、廊下をボール追って行ったり来たり。

 でも、すぐにお腹を床に着けてしまう。

 最初は気づかなかったんだけれども、これ、スコちゃんが疲れちゃったときなのだ。


 そうしたら、またリビングへ行ってこれを書く。

 そしたら、またコーンってボールもって来る(笑)。

 どたばた遊んで、またお休み。


 いやー、もう、白猫は家に近づけさせないし、スコちゃんのテリトリーを侵させないつもりだから、安心してよ。



 遊ぶのをやめたら、いつもより大胆になって、リビングのソファにダイブして、誰が放置したのかわからない、トイレットペーパーに爪たてたり噛みついたりして遊んでいる。

 おお、そんな遊びも知っていたのね。


 だけど、ペーパーを口に入れちゃってから、ぺーってしてる。

 祖母の部屋に入りこんで(祖母が廊下側のふすまを開けて、わざわざリビングの灯りを消したりするから、その隙に)彼女の布団に寝そべって、ヘソ天してる。


 あ、またボールの音。

 今夜はお呼びがかかるの、多いなあ。

 夕べ、夜行性なんだから、夜に遊んでもいいんだよと、テレパシー送ったせいかなア。


 なんでもスコちゃんは、睡眠時間を削って、昼間無理に起きていて、我が家の平和を守っていてくれていたらしい。

 母が結婚式でもらってきたブーケを、噛み散らかしたりしたのは、花に悪いコロナウイルスがついていたからなんだって!

 もちろん、私はその花束をゴミ箱いきにした。


 母には顰蹙を買い、叱られたけれど、いいんだ。

 スコちゃんのおぼしめしなのだから。

 なにかわけがあるに違いないと、思っていたのよ。



 なんだっけ、スコちゃんのちゅーる欲しいなーってお顔に、水色の背景、水面のテクスチャをかぶせて、サクラの花びらを散らした、思い入れたっぷりの絵をご紹介したいのだった(ツイッターです)。

 かわいいかわいいと思って描いた絵だから、綺麗に見えなくてもいいのかもしれない。

 むしろ泥臭い面も少々あるけれど、私は見るだけで愛おしさがこみ上げる。



 他人から見て、どうかなんて、考えなくていい絵だ。



 それとは反対に、同じ技法を使った背景で、前に描いたヘソ天を合わせてみた。

 これが美しくできて、本当にうれしい。

 水面のテクスチャも、サクラの花びらも、クリスタでもらいたての素材だから、つかってみたかったの。


 アクリルガッシュのときより、美しいから、見ていただきたいわ。

 ヘソ天のスコちゃんは、本当に色っぽい。

 そんな表現がふさわしい見方をしているのは、私くらいかもしれないけれどね。


 あ! また、スコちゃんが!

 まってー、今行くわよー!

(今日はとことんつき合うつもりで、カフェオレを飲み続けているのです)





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