第139話目 2020/02/12/水 毎日、君にどきどきしてるっ!

 モンプチ、500グラムで600円相当だけれど、悪くなさそう。

 というのも、毎日のように逆なでしてあげてる、毛並みがもう、つやっつやなのだわ。

 見てるときゅうんと胸が切なくなって、ついつい、スコちゃんに鼻ちょんしてなーめなーめされてしまう。


 夕べ真っ暗闇の中、どっかんどっかん、音がするから、赤色灯のもとで、なんとか片付けた書類の束の間に、かなり昔の写真とネガが入っていた。

 昼間になって確認したら、それは先代のアメショの男の子の写真だった。

 部屋が埃っぽいなと思いながら、遺骨の隣に写真を押しこんだ。


 それで済むと思っていた。

 しかし!

 夜になると、どうにもかなしくなってしまい、わけもわからずスコちゃんに甘えた。


 姐さん気質のスコちゃんはすべてわかっている、とでもいうように、ひたすら口元をなめなめしてくれて、それで私は気づいたんだ。

 なにか、忘れている。

 大切なことを。


 ついつい、神様にとんでもない寿命をお願いしてしまう私だけれども、スコちゃんだって長生きしても20年やそこらだ。

 心臓が痛くなるから、40年だと思っているけれど、それは無茶な願いなんだ。

 だから、私はまた、大切な猫を失う運命にある。


 スコちゃん、スコちゃん。

 ああ、スコちゃん!

 大切にします。



 死なないで!



 毎日そればっかり願っていたことを思い出す。

 やさしくしようとも、喜ばせてあげようとも、あんまり思わないで。

 願いこめて神棚を拝むばかり。


 でも、スコちゃんはもっと、幸せになれるはずだ。

 撫でさすってやろう。

 じゃらしてやろう。


 それ以外には、環境を整えよう。

 今が全てなんだ。

 スコちゃんには、私には、今しかないんだ!


 一生懸命、生きよう。






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