第132話 2020/02/08/土 ささやかな幸せと大きな望み。

 今日はスコちゃんが元気に飛び回っていて、私は脱力していたのだけれど、そんなスコちゃんの姿に元気づけられました。

 廊下であうと、ぴょんと飛び跳ね、私の右手にタッチしてきます。


 リボンでじゃらしていると、こちらが疲れた時になって、バシュッととびかかってきます。

 そして、昼夜逆転生活でぐったりしている私の目の前で、椅子の脚をかいくぐって、ソファの後ろへまわり、カバーの中に入ってくつろいでいます。

 お母さんのおなかの中を思い出すのでしょうか。


 カバーごと持ち上げてみると、二回目で降参して出てきました。

 まずったかな。

 親切のつもりだったのだけれど。


 そして、夕方になると、夜に備えてエアコンの入った祖母の部屋に入りこんで、ベッドの上に寝転んでます。

 枕の上に横たわるのが好きみたいです。

 きっとワクワクしながら、祖母を待っているのだわ。


 しかし、10時PMすぎて、リビングへ行ったら、スコちゃんは祖母の部屋を追い出されたかして、ソファの上でボーンやりしてました。

(妄想語り入ります)



「だから、祖母は追い出しに来るって言ったでしょう?」



『でも、いいの』



「傷ついた? かなしかった?」



『うん、悲しかった。でも、いいの』



 良くないよ……私はスコちゃんに覆いかぶさるようにしてひっついた。

 その傷を癒してあげたかった。

 女神、彼女を癒してあげるにはどうすればいいの?



『癒してあげなくてもいいの』



 どうしてですか。



『傷ついて、成長するのだから』



 それでも、癒せるのならば癒してあげたい。



『癒してあげたいなら、逆撫ですればいい』



 ありがとうございます。

 おもいっきりぶわーっと毛を逆なでしました。

 スコちゃん、毛づくろいに一生懸命になりました。


 これで悲しいことを忘れられるわね!






3

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る